iPhone SE(第3世代)を購入しました。
2022年3月に登場したiPhoneの廉価モデル。
5万円台ながらもiPhone 13シリーズと同じA15 Bionicを搭載し、指紋認証対応のホームボタンがあるのが特徴です。
長く使うことができるのでコスパにも優れています。
コンパクトなスマホが好きならおすすめの1台!と言いたいところですが、物足りない部分もあり、自分に必要な機能を理解したうえで購入する必要があると感じました。
そこで本記事では、iPhone SE(第3世代)を実際に使ってみた様子を、現在使っているiPhone 12 miniとの比較を交えてレビューしていきます。
なおiPhone 12 miniはこちらの記事でレビューしているので、本記事と併せてチェックしてください。
メリット | デメリット |
・5万円台から買える ・A15 Bionic搭載 ・最高レベルの動作性能 ・悪くないバッテリー性能 ・想像以上に優秀なカメラ ・嬉しいホームボタン ・指紋認証 ・コンパクト&軽量 ・おサイフケータイ ・防塵防水 ・ワイヤレス充電対応 ・5G通信対応 | ・上下の巨大ベゼル ・ディスプレイが小さい ・デザインに進化なし ・カメラが1種類 ・夜景モード非搭載 ・Dolby Atmos非対応 ・空間オーディオ非対応 ・MagSafe非対応 |
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iPhone SE(第3世代)のデザイン・サイズ感をレビュー
まずiPhone SE(第3世代)の外観からチェックしていきましょう。
開封の儀・付属品
今じゃあまり見かけなくなった「開封の儀」を軽めに。せっかくのApple製品ですからね。
蓋を開けるとさっそく本体のお目見えです。こんにちは。
本体を取り出すと、下に付属品が入っています。
付属品は以下のとおり。
- 保証・安全関係の紙類
- シール
- SIMピン
- USBケーブル
USBケーブルはUSB-C/Lightningのものでした。
充電器やイヤホンは付属していないので、自分で用意する必要があります。
本体には簡単な保護フィルムが付いています。当然剥がさなければ使えません。
これを剥がす瞬間もテンションが上がるのでお楽しみポイント。
物理ボタンの機能がイラストで表示されておりました。
ちなみに保護ケースやディスプレイ保護フィルムは付属しておりません。
普段レビューすることの多い中華スマホには必ず付いてくるのでケチだなーって思ってしまいます・・・。付属していたら開封してすぐに使えるのに。
まぁ好みのケースを探すのも楽しみだったりするので良いのかもしれませんが。
さすがにケースを付けずに使うのは怖いので、予め購入しておきました。
せっかくのコンパクトサイズを損ないたくないので極力薄いケースです。
フィットしすぎて着脱しにくいのが難点ですが、めちゃくちゃ薄いのでおすすめ。
もはや何も付けてないかのような雰囲気。
デザイン
iPhone SE(第3世代)のカラーバリエーションは3色。
- ミッドナイト
- スターライト
- (PRODUCT)RED
この内、僕が購入したのは(PRODUCT)REDです。
売上の一部が「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」に寄付されるので、迷ったら(PRODUCT)REDにしましょう。社会貢献の一貫になりますよ。
デザインはiPhone SE(第2世代)と全く同じです。
色合いは公式サイトに掲載されているイメージと殆ど同じと言っていいでしょう。
光の加減によって若干濃く感じることもありますが、ほぼ一緒。
背面パネルは光沢のあるガラス製。Appleのトレードマークと(PRODUCT)REDが印字されておりました。
背面パネルのガラスはiPhone 13・iPhone 13 Proに使われているものと同じなんだそうです。耐久性に優れているっぽいので嬉しいですね。
なお、背面パネルのダブルタップ・トリプルタップ操作にもしっかり対応しておりました。
上部にはカメラレンズ・マイク・LEDフラッシュライト。
iPhone SE(第3世代)は1,200万画素の広角カメラ(メインカメラ)の1眼構成です。
アルミ製のフレームに向かってなだらかに湾曲。
フレーム自体も湾曲しているので手にフィットします。持ちやすい。
ディスプレイを正面にして右側面に電源ボタンとカードスロット。
カードスロットはnano SIMカードを1枚装着できるタイプ。残念ながらSDカードを装着することはできません。
この他iPhone SE(第3世代)はeSIMにも対応しているのでデュアルSIMに対応。
こちらの記事で実際にデュアルSIMを設定した様子を紹介しているので本記事と併せてチェックしてみてください。
左側面にはサイレントスイッチと音量ボタンを搭載しています。
本体下部にはマイク・Lightningポート・スピーカー。
上部には何もありません。
ディスプレイ上部ベゼルにインカメラとスピーカー。
下部ベゼルには最大の特徴でもあるホームボタンが搭載されております。
これが欲しくてiPhone SE(第3世代)を購入する人も多いのではないでしょうか。
サイズ感
iPhone SE(第3世代)のサイズは138.4mm×67.3mm×7.3mm。
デザイン同様、旧モデルiPhone SE(第2世代)、ひいてはiPhone 8と全く同じサイズ感になります。
iPhone 12 miniと比較するとこんな感じ。
縦・横のサイズはiPhone 12 miniの方が小さいですが、iPhone SE(第3世代)のほうが薄いですね。
丸みを帯びたデザインで薄いせいか、個人的にiPhone SE(第3世代)の方が持ちやすく感じます。
ただiPhone SE(第3世代)よりも小さいのに、ディスプレイサイズが大きい点は凄いですよね。やっぱり。
重さは実測で144g。200gを超えるスマホも沢山ある中、驚異の軽さですね。
だが、しかし、But。iPhone 12 miniはさらに1枚上手。なんと134gしかありません。
iPhone SE(第3世代)の方が持ちやすさはあるものの、サイズ感的にはiPhone 12 miniの方が優れていると言わざるを得ないですね。素晴らしいです。
iPhone SE(第3世代)のディスプレイをレビュー
続いてiPhone SE(第3世代)のディスプレイを見ていきましょう。
4.7インチは小さいのか?
iPhone SE(第3世代)のディスプレイサイズは4.7インチ。
上下ベゼル(縁)が大きいのでクラシカルなサイズ感です。
2022年の主流なディスプレイサイズは6インチ前後なので当然小さいと言えます。
5.4インチのiPhone 12 miniと比較するとこんな感じ。
ただ、実際に使ってみると普段使いで困るシチュエーションは殆どないと思いました。
ネットサーフィンするにもSNSをするにも、このくらいのサイズ感であれば十分。
文字入力もしやすいですし、少し持ち変えればディスプレイ上部にも手が届きます。
使用するシチュエーションによって両手操作が余儀なくされるサイズ感よりも、いつでも片手操作で済むのは大きなメリットだと思います。
ただ、動画視聴であったりゲームだったりは、やはり大きな画面のほうが快適です。
スマホを使う主な用途がゲーム・動画視聴の人は、物足りないと思うかもしれません。
液晶ディスプレイは見にくいか?
iPhone SE(第3世代)のディスプレイは旧モデル同様「Retina HD」。液晶ディスプレイです。
2022年の主流は有機ELディスプレイで。ハイエンドモデルはもちろん、ミドルレンジ・エントリーモデルですら搭載されているものが多くあります。
現在僕が使っているiPhone 12 miniは「Super Retina XDR」。つまり有機ELディスプレイなので、久しぶりのApple製の液晶ディスプレイを見た気がします。
実際に比べて使ってみたのですが、個人的に大きな差は感じませんでした。
液晶ディスプレイであっても十分綺麗です。
視野角も広いので、多少きつい角度からでもしっかり視認できます。
屋外の明るいシチュエーションでも見にくいことはありませんでした。
唯一違いが分かりやすいのはダークモードになった時くらいでしょうか。
やはり有機ELは黒が引き締まって見えるので、iPhone 12 miniの方がメリハリがあります。液晶ディスプレイは黒が真っ黒ではないですからね。
サイズ感は使い道によって左右される部分ですが、液晶ディスプレイだからといって困ることはありません。
さすがRetina HDといったところ。久しぶりに見ても十分綺麗でした。
iPhone SE(第3世代)の動作性能をレビュー
続いてiPhone SE(第3世代)で最も注目すべきポイントである、動作性能について見ていきましょう。
iPhone SE(第3世代)にはiPhone 13シリーズと同じSoC「A15 Bionic」が搭載されております。
5万円台で購入できる廉価モデルながら、2022年最新のチップセットが使えるところが大きなメリットです。
AnTuTuベンチマークスコア
スマホの基本性能を数値化できるのがベンチマークテスト。スコアが高ければ高いほど動作性能が優秀ということになります。
最も有名なAnTuTuというベンチマークアプリを使ってみたところ、総合スコアが720,343点、GPUスコアは290,048点という結果になりました。
2022年4月現在の最高スコアは100万点を超えている状況ですが、70万点を超えていれば何をやっても快適に感じるスコアと言えます。
ちなみにiPhone 12 miniのスコアは70万点ほど。
数万点のスコア差がありますが、もはや誤差レベルと言って良いでしょう。
なおこちらのページで、これまでにレビューしたスマホ(主にAndroidですが・・・。)のAnTuTuスコアをランキング形式で掲載していますので、参考に御覧ください。
iPhone 12 miniと動作性能を比較
スコアだけ見てもイマイチよく分からないと思うので、iPhone 12 miniと動作性能を比較してみました。
多くの人が閲覧するであろうYahoo!と楽天市場での表示速度チェックです。
もうどっちも早いので優劣はありませんね。
ネットサーフィン、SNS、LINEやメール。普段使いでストレスを感じることは一切ありません。快適そのものです。
ゲーム性能
もはやスマホとゲームは切っても切れない関係なので、ゲーム性能の良し悪しも重要なポイント。
普段使いには困らない性能のiPhone SE(第3世代)のゲーム性能はどれほどのものでしょうか?
ご安心ください。軽いゲームはもちろん、重いゲームであっても快適にプレイできます。
ゲーム性能のベンチマークのような存在になってる「原神」でのデフォルトグラフィック設定は「高」。
カクつきなども気にならず普通に遊べます。素晴らしいですね!
また人気のバトルロワイヤルゲーム「PUBG MOBILE」でのグラフィック設定は「スムーズ」「極限」/「FHD」「ウルトラ」という結果になりました。
僕のようなエンジョイ勢はもちろん、ガチ勢の方々でも満足できるグラフィック性能ではないでしょうか?
もちろん画面サイズが小さいので、そこは気になるポイントではあると思いますが。
6インチ超えのスマホで普段遊んでる人にとっては小さすぎて厳しいでしょう・・・。
発熱が気にならない!優秀過ぎる
動作性能が高いスマホに高い負荷をかけると、発熱が気になるものです。
2022年最新のSoCであるSnapdragon 8 Gen 1を搭載しているOnePlus 10 Proの発熱も凄かったです。ホカホカ・・・。
この点、iPhone SE(第3世代)は極めて優秀。
デフォルト設定で原神をプレイしていても、ほんのりホカホカする程度でした。
5万円台で購入できるスマホとして、ここまでトップレベルの動作性能を誇るスマホはなかなかないでしょう。
コスパが良いとされるAndroidスマホと比較してもiPhone SE(第3世代)の方が優秀です。
iPhone SE(第3世代)のバッテリー性能をレビュー
スマホを使ううえで重要なのはバッテリー性能。長持ちであることに越したことはありません。
発表当時の情報やスペックを見る限り旧モデルより向上しているようですが、実際はどうなのかチェックしていきましょう。
バッテリーもち
普段僕はスマホのバッテリーもちを確かめるためにPCMarkというベンチマークアプリを使っているのですが、残念ながらiOS用はありません。
そこで、実際にiPhone SE(第3世代)を動かして、バッテリーがどのくらい消費するのかチェックしてみました。
まず24時間何も使わなかった場合に消費するバッテリー容量は以下のとおり。
ほったらかしにしているだけで31%バッテリーが消費しました。
比較対象のiPhone 12 miniは15%の消費。
当然ながらiPhone 12 miniの方がアプリも沢山インストールされていてバックグラウンドでの通信が多いはずなのですが、iPhone SE(第3世代)の方がバッテリー消耗が激しくなりました。
続いて動画視聴のバッテリー消費をテスト。
Netflixを2時間視聴すると、バッテリーは21%消費しました。
iPhone 12 miniでも同じ様に2時間の動画視聴をしたところ、バッテリー消費は20%でした。
動画視聴のバッテリー消耗はどちらもそんなに変わりませんね。
最後に重いゲームアプリ「原神」をプレイした結果です。
さすがに高い負荷がかかっているせいか、バッテリー消耗は激しめ。1時間で27%バッテリーを消費しました。
iPhone 12 miniでの結果はこちら。1時間で24%消費しました。
それぞれの結果をまとめると以下のとおり。
iPhone SE(第3世代) | iPhone 12 mini | |
24時間放置 | 31%消費 | 15%消費 |
動画視聴 2時間 | 21%消費 | 20%消費 |
ゲーム 1時間 | 27%消費 | 24%消費 |
自然消耗が激しいのがちょっと気になりますが、概ねiPhone 12 miniと同じ結果に。
特別長持ちではないものの、よほど激しい使い方をしない限り1日くらいは充電せずに使えそうです。
5G回線に対応したスマホにしては良い結果だと思います。
充電速度
iPhone SE(第3世代)は20W急速充電に対応しています。
実際に20W急速充電に対応した充電器を使ってみたところ、公称通り30分で5%から60%までチャージ。
その後、充電速度がゆるやかになり、フル充電までにかかった時間は1時間45分でした。
フル充電までにかかる時間は一般的なものの、50%くらいまでの充電は高速です。
もちろん一般的なスマホ等の充電器でも充電は可能。ワイヤレス充電にも対応しています。
ただしAppleのMagSafe充電には非対応なのでご注意ください。
iPhone SE(第3世代)のカメラ性能をレビュー
iPhone SE(第3世代)のカメラスペックは旧モデルiPhone SE(第2世代)と同一。
望遠レンズや超広角カメラ等が搭載されているiPhone 12 miniの方がスペック的には上位になると思います。
ただし、搭載されているSoCが最新モデルのA15 Bionicなので撮影後の画像処理「コンピュテーショナルフォトグラフィ」の効果が高い点が気になるポイント。
iPhone 12 miniとiPhone SE(第3世代)はどのくらいカメラ性能に差がでてくるのでしょうか。
カメラアプリ
使ったことがある人も多いかもしれませんが、iPhoneのカメラアプリは非常にシンプル。
殆どiPhoneにお任せしちゃう感じですね。いわゆるAndroidスマホによくあるプロモードはありません。
ズームは指でディスプレイをグワッと広げたあとにスライダー操作。
これは正直使いにくい・・・。せめてワンタップで2倍ズームできて欲しかったです。
カメラアプリ
iPhone SE(第3世代)にA15 Bionicが搭載されたことで使える機能が「フォトグラフスタイル」です。
これはiPhone 12 miniには搭載されていない機能になります。
「トーン」と「暖かみ」を調整して自分好みの写真を撮影できるモード。
標準に加えて4つのプリセットがある他、自分好みのスタイルに調節することも可能です。
ちなみに本記事での作例は全て「標準」で撮影したものです。
メインカメラの性能
iPhone SE(第3世代)はどんな写真が撮影できるのか見ていきましょう。
比較用に掲載しているのはiPhone 12 miniで撮影した写真です。
スライダーは自由に動かせるので詳しく比べてみてください。
左の画像がiPhone SE(第3世代)で撮影したもの、右がiPhone 12 miniで撮影した写真です。
画角がiPhone 12 miniに比べて若干狭いものの、仕上がりは殆ど変わらないように見えますね。少なくとも僕には違いが全く分かりません・・・。
色合いを確かめるために花を撮影してみました。
どっちも非常に綺麗に撮影できていると思います。若干iPhone SE(第3世代)の方が色が濃く出るようですね。
続いて逆光のシチュエーション。
さすがに太陽に向かって撮影すれば真っ暗になってしまいますが、逆光気味くらいであれば、どちらもバランスを崩すことなく綺麗に撮影できました。
やっぱりiPhone SE(第3世代)の方が色味が濃く出る傾向にあるようです。
HDRの効果も高いので明暗差の激しいシチュエーションでもバランスよく撮影することができました。
iPhone SE(第3世代)はiPhone 13シリーズと同じ「スマートHDR 4」に対応しているので、暗い部分が不自然に明るくなることが少ないと思います。
デジタルズーム
iPhone SE(第3世代)には望遠カメラが搭載されていないので、最大5倍までのデジタルズームになります。一方iPhone 12 miniは光学2倍、最大5倍のデジタルズームです。
通常撮影
2倍相当(倍率の指定ができないため)
5倍相当(ズームを最大にして撮影)
最大ズームになると粗さが目立ってしまいますが、2倍相当くらいまでなら解像感も残って普通に綺麗ですね。望遠カメラがなくても普段使いに困ることはなさそうです。
室内でも同じように撮影してみました。
2倍相当
5倍相当
本当に違うスマホで撮影したの?って疑いたくなりますよね笑
光学ズームの搭載・非搭載はそんなに大きな影響はないかもしれません。
夜間撮影
iPhone SE(第3世代)にはナイトモード(夜景モード)がありません。iPhone 12 miniには搭載されています。
性能はどうあれ低価格帯のAndroidスマホにも普通に搭載されている機能だったりするので、iPhone SE(第3世代)の弱点になりそうなポイント。
低照度では使い物にならないのか?実際に夜間撮影してみました。
あれ?普通に撮影できてますね?
明るさは全然足りてないですが、思った以上にノイズも少なくて綺麗です。
個人的にはこのくらい撮影できれば十分じゃないかと思ったりもします。
ただシチュエーションによってはノイジーになって解像感が失われてしまうことも当然ありました。汚くはないですがイマイチですね。
続いて夜間撮影でのデジタルズーム。
通常撮影
2倍相当
5倍相当
2倍ズームでもかなり粗くなってしまうので、夜間撮影でのズームは期待しないほうが良いです。
ポートレートモード
iPhone SE(第3世代)では被写体が人物の時のみポートレートモードが使えます。これはiPhone SE(第2世代)と同様です。
一方iPhone 12 miniは被写体が物でもポートレート撮影ができます。
どちらもポートレート撮影の効果は良い感じ。HDRも併せてチェックしたのですが、そこまでは効果が及ばない模様。背景をボカすので当たり前か笑
もちろんボケの効果は撮影後でも調整可能。特殊効果を付けることもできちゃいます。
被写体は人物に限定されてしまいますが、切り分けも上手で、背景ボケの写真撮影を楽しめます。
物を撮影する時にポートレートモードが使えないのは不便に思うかもしれませんが、通常撮影で被写体にピントを合わせればナチュラルな背景ボケになるので、個人的にはこれでも十分です。
インカメラ
個人的に自撮りなんて殆ど(ていうか全く)しないので使う機会は少ないですが、インカメラの性能も十分な印象。
もちろんインカメラでもポートレートモードが使えます。iPhone SE(第3世代)のポートレートモードは人物にのみ使えるので、むしろインカメラでのポートレートモードが活かされるかもしれませんね。
動画撮影
iPhoen SE(第3世代)で動画撮影もしてみました。
日中の明るい場面ではかなり綺麗に撮影できています。
手ぶれ補正が利いているのですが、多少画面がガクガクしているのが気になります。
動きながらの撮影には向いていませんね。
夜景モードが搭載されていないので低照度での撮影は厳しめ。
フレームレートを下げれば明るくなるもののノイジーです。 また、ゴーストの発生も確認できました。
iPhoneの自動調整を有効にしており、30fpsで撮影したのですが24fpsに落とされていました・・・。
カメラ性能の総評
iPhone SE(第3世代)のカメラは非常に優秀だと感じました。
ズームもポートレートモードも含めてメインカメラの性能はiPhone 12 miniに全く負けていません。
ひとえにA15 Bionicが搭載されていることによる画像処理「コンピュテーショナルフォトグラフィ」の効果だと思います。
唯一太刀打ちできないのが夜間撮影ですね。夜景モードが搭載されていないので、どうしても明るさ不足になってしまいました。
超広角カメラや光学式望遠が搭載されていないので多彩な写真撮影は難しいものの、サッと取り出してパシャっと撮影するくらいならiPhone SE(第3世代)のカメラ性能でも十分だと思います。
iPhone SE(第3世代)のスペック
iPhone SE(第3世代)の主要スペックは以下のとおりです。
参考に本記事で比較してきたiPhone 12 miniと旧モデルiPhone SE(第2世代)のスペックも併せて掲載しております。
iPhone SE(第3世代) | iPhone 12 mini | iPhone SE(第2世代) | |
価格(税込) | 64GB:57,800円 128GB:63,800円 256GB:76,800円 | 64GB:69,800円 128GB:75,800円 256GB:87,800円 | 公式サイト販売終了 |
サイズ | 138.4mm 67.3mm 7.3mm | 131.5mm 64.2mm 7.4mm | 138.4mm 67.3mm 7.3mm |
重さ | 144g | 133g | 148g |
ディスプレイ | 4.7インチ Retina HD IPS液晶 | 5.4インチ Super Retina XDR OLED | 4.7インチ Retina HD IPS液晶 |
ディスプレイスペック | 解像度:1,334×750 326ppi コントラスト比:1,400:1 True Toneディスプレイ Display P3 触覚タッチ 最大輝度:625nit | 解像度:2,340 ×1,080 476ppi コントラスト比:2,000,000:1 True Toneディスプレイ Display P3 触覚タッチ 最大輝度:625nit 最大輝度(HDR):1,200nit | 解像度:1,334×750 326ppi コントラスト比:1,400:1 True Toneディスプレイ Display P3 触覚タッチ 最大輝度:625nit |
SoC | A15 Bionic | A14 Bionic | A13 Bionic |
リアカメラ(メイン) | 1,200万画素 f/1.8 | 1,200万画素 f/1.6 | 1,200万画素 f/1.8 |
リアカメラ(超広角) | なし | 1,200万画素 f/2.4 | なし |
ズーム | デジタル5倍 | 光学2倍 デジタル5倍 | デジタル5倍 |
ナイトモード | なし | あり | なし |
ポートレートモード | あり(人物のみ) | あり | あり(人物のみ) |
HDR撮影 | スマートHDR4 | スマートHDR3 | スマートHDR |
フォトグラフスタイル | あり | なし | なし |
ビデオ撮影 | 最大4K@60fps 3倍デジタルズーム | 最大4K@60fps Dolby Vison 4K@30fps 2倍光学ズーム 3倍デジタルズーム オーディオズーム | 最大4K@60fps 3倍デジタルズーム |
データ通信 | 4G/5G | 4G/5G | 4G |
バッテリー | ビデオ再生:最大15時間 オーディオ再生:最大50時間 | ビデオ再生:最大15時間 オーディオ再生:最大50時間 | ビデオ再生:最大13時間 オーディオ再生:最大40時間 |
高速充電 | 対応 | 対応 | 対応 |
ワイヤレス充電 | 対応 | 対応 | 対応 |
MagSafe充電 | 非対応 | 対応 | 非対応 |
オーディオ再生 | ステレオ | ステレオ 空間オーディオ ドルビーアトモス | ステレオ |
防塵・防水 | IP67 | IP68 | IP67 |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 | 対応 |
生体認証 | Touch ID 指紋認証 | Face ID 顔認証 | Touch ID 指紋認証 |
廉価モデルと言えども、人気のおサイフケータイ・防水性能を搭載しているのは嬉しいポイント。
ただ防水性能の等級がIPX7と、iPhone 12 miniよりも1等級下がる点は注意が必要です。
また、上下2つのスピーカーを搭載していることで横持ちした時にステレオサウンドにはなりますが、空間オーディオ・Dolby Atmosには非対応です。
もちろんワイヤレスイヤホンがDolby Atmosや空間オーディオに対応していれば使えるのでご安心ください。iPhone SE(第3世代)のスピーカーが非対応という話です。
iPhone SE(第3世代)を買うべき人は?
iPhone SE(第3世代)は以下の人におすすめです。
- 高性能のiPhoneを安く買いたい人
- ホームボタンを愛してやまない人
1つずつ紹介していきます。
高性能の「iPhone」を安く買いたい人
iPhone SE(第3世代)は、iPhone 13シリーズと同じA15 Bionicを搭載していながら、57,800円~とiPhoneの中では安価で購入できるのがメリットです。
高性能チップセットの搭載は、動作性能が高いことはもちろん、長く使い続けることができる点も魅力になります。
今iPhone SE(第3世代)を購入すれば5年後でも普通に使えているでしょうし、iOSのアップデートにも対応していると思います。
5G通信にも対応しているので、今後普及したとしても困ることはありません。
そう考えると、非常にコスパにすぐれたiPhoneと言えるでしょう。
また、動作性能が高いと言っても、ディスプレイが小さく、カメラが1種類しかないので、ハイエンドモデルのスマホをバリバリ使いこなせるような人には向いていません。
むしろiPhone SE(第3世代)を買うべきなのは、スマホの使い道がネットサーフィンやSNSなどのライトユーザー。
中でも、Androidではなくて「iPhone」を使いたいライトユーザーです。
必要最小限の機能・性能を持ったスマホを探しているなら、もっと安いAndroidスマホが沢山ありますからね。
初めてスマホを使う中学生なんかにピッタリだと思います。
ホームボタンを愛してやまない人
iPhone SE(第3世代)を購入して久しぶりにホームボタンを使いました。
やっぱりホームボタンでの指紋認証(Touch ID)は、めちゃくちゃ使いやすかったです。
マスクを付けていようが、暗闇だろうが、簡単にロック解除できるというのはiPhone SE(第3世代)の大きなメリットになります。
iOSのアップデートで、iPhone 12シリーズ以降のモデルはマスクを付けていても、顔認証ができるようになりました。
とは言え、精度が完璧ではなく、ロック解除のために顔の位置を調節する必要があります。
しかも、ロック解除できてもディスプレイをスワイプしないとホーム画面にならないのは結構めんどくさいんですよね。
こういった僅かな手間を考えなくても良いTouch IDは極めて優秀な機能です。
どれほど画面が大きかろうが、カメラが高性能だろうが、最も重要なポイントがホームボタンによる指紋認証の人もいると思います。
そういう人にはiPhone SE(第3世代)がピッタリです。
まとめ:iPhone SE(第3世代)のメリット・デメリット・評価
iPhone SE(第3世代)をiPhone 12 miniとの比較を中心に実機レビューいたしました。
最後に本記事のおさらい。メリット・デメリット・評価を紹介いたします。
メリット・デメリット
iPhone SE(第3世代)を買うべきメリット、購入前に確認しておきたい注意点は以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・5万円台から買える ・A15 Bionic搭載 ・最高レベルの動作性能 ・悪くないバッテリー性能 ・想像以上に優秀なカメラ ・嬉しいホームボタン ・指紋認証 ・コンパクト&軽量 ・おサイフケータイ ・防塵防水 ・ワイヤレス充電対応 ・5G通信対応 | ・上下の巨大ベゼル ・ディスプレイが小さい ・デザインに進化なし ・カメラが1種類 ・夜景モード非搭載 ・Dolby Atmos非対応 ・空間オーディオ非対応 ・MagSafe非対応 |
評価
(3.5点/5点満点)
- 5万円で最高性能のスマホが買える
- 指紋認証が使えるiPhone
これがiPhone SE(第3世代)の最大の魅力です。
数年先でも十分にメインで使える動作性能なので、コスパの高い1台と言えます。
5G通信にも対応していますからね?バッチリでしょう。
その一方、旧モデルからのマイナーアップデート感も否めず、物足りない部分もあります。
- ディスプレイが極めて小さい
- カメラが1種類
特にこの2点は2022年に発売されたスマホとは思えないくらいに寂しいポイントです。
多彩な機能・性能を求めているのであれば、本記事で比較していたiPhone 12 miniも購入の選択肢になると思います。価格が下がって買いやすくなってますからね。
できることはシンプルでも良いから長く使えるiPhoneが欲しい。
そういう人にiPhone SE(第3世代)は最適だと思います。