評価:(2.5点/5点満点)
お世話になります。毎月スマホを購入しているガジェットブロガーのちびめがね(@chibimeganecom)です。
OPPO A77をお借りしました。
2022年10月に発売されたOPPO製のエントリーモデルです。
- OPPO Glow採用
- ステレオスピーカー
- 33W急速充電(SUPERVOOC)
2万円台で購入できるスマホながら嬉しい付加価値を搭載。
同価格帯で最強スペックを誇るRedmi Note 11のような雰囲気で、なかなか良い感じじゃないか!
・・・と、思ったんですが、じっくりスペックを確認してみると衝撃の事実が。
- SoC:MediaTek Helio G35
- ROMタイプ:eMMC
- 画面解像度:1612 x 720 (HD+)
なかなか危険な香りが漂っている構成でした。
ただスマホは実際に使ってみなければ分からない部分も多いです。
果たしてOPPO A77はどのくらいの性能なのか?
本記事で実機レビューしていきます。
メリット | デメリット |
・OPPO Glowが綺麗 ・サラサラ背面パネル ・大きい割に扱いやすい ・33W急速充電 ・ステレオスピーカー ・LDAC/96kHz・24bit ・デュアルアプリ対応 ・付属品が充実 | ・動作性能が弱すぎる ・ゲームは厳しい ・eMMC ・HD+ディスプレイ ・Widevine L3 ・タッチサンプリングレート60Hz ・バッテリーが物足りない ・カメラ性能イマイチ ・超広角カメラなし |
タップして読みたい場所へ
OPPO A77のスペックをRedmi Note 11/OPPO A77と比較
まずOPPO A77がどんなスマホなのかザックリ知るためにスペックを確認です。
参考に同価格帯のライバルスマホXiaomi Redmi Note 11と旧モデルのOPPO A73のスペックも合わせて紹介するので比較してみましょう。
スペック表
OPPO A77 | Redmi Note 11 | OPPO A73 | |
市場想定価格 | 24,800円 | 24,800円 | 30,800円 |
サイズ | 163.7mm 75.0mm 8.0mm | 159.87mm 73.87mm 8.09mm | 159.8mm 72.9mm 7.45mm |
重さ | 187g | 179g | 162g |
ディスプレイ | 6.5インチ 液晶 HD+(1612×720) 269ppi 最大輝度600nit | 6.43インチ 有機EL FHD+(2400×1080) 409ppi 最大輝度1,000nit | 6.44インチ 有機EL FHD+(2400×1080) 408ppi 最大輝度600nit |
リフレッシュレート | 60Hz | 90Hz | 60Hz |
タッチサンプリングレート | 60Hz | 180Hz | 135Hz |
OS | ColorOS 12 Based on Android12 | MIUI 13 Based on Android11 | ColorOS 7.2 Based on Android10 |
SoC | MediaTek Helio G35 | Qualcomm Snapdragon 680 | Qualcomm Snapdragon 662 |
RAM | 4GB LPDDR4X | 4GB LPDDR4X | 4GB LPDDR4X |
ROM | 128GB eMMC5.1 | 64GB UFS2.2 | 64GB UFS2.1 |
外部ストレージ | 最大1TB | 最大512GB | 最大256GB |
メインカメラ | 5,000万画素 f1.8 | 5,000万画素 f1.8 | 1,600万画素 f2.2 |
超広角カメラ | なし | 800万画素 f2.2 FOV118° | 800万画素 f2.2 FOV119° |
マクロカメラ | なし | 200万画素 f2.4 | なし |
深度カメラ | 200万画素 f2.4 | 200万画素 f2.4 | なし |
インカメラ | 800万画素 f2.0 | 1,300万画素 f2.4 | 1,600万画素 f2.2 |
リアカメラ動画 | 1080p@30fps 720p@30fps | 1080p@30fps 720p@30fps | 1080p@30fps 720p@30fps |
バッテリー容量 | 5,000mAh | 5,000mAh | 4,000mAh |
急速充電 | 33W 充電器付属 | 33W 充電器付属 | 18W 充電器付属 |
生体認証 | 側面指紋認証 顔認証 | 側面指紋認証 顔認証 | 画面内指紋認証 顔認証 |
対応SIM | 物理SIM×2 | 物理SIM×2 | 物理SIM eSIM |
5G通信 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth Ver. | 5.3 | 5.0 | 5.0 |
イヤホンジャック | あり | あり | あり |
スピーカー | ステレオ | ステレオ | モノラル |
防塵防水 | IP54 | なし | なし |
NFC | 不明 | なし | 不明 |
FeliCa | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
FMラジオ | あり | あり | あり |
衛星測位 | GPS GLONAS GALILEO BeiDou QZSS | GPS GLONASS GALILEO BeiDou | GPS GLONAS GALILEO BeiDou QZSS |
対応Band一覧表
OPPO A77 | 【GSM】850,900,1800,1900 【WCDMA】B1,2,4,5,6,8,19 【LTE-FDD】B1,2,3,4,5,7,8,12,13,17,18,19,26,28,66 【LTE-TDD】38,41 |
Redmi Note 11 | 【GSM】850,900,1800,1900 【WCDMA】B1,2,4,5,6,8,19 【LTE-FDD】B1,2,3,4,5,7,8,12,13,17,18,19,20,26,28,66 【LTE-TDD】38,40,41 |
OPPO A73 | 【GSM】850,900,1800,1900 【WCDMA】B1,2,4,5,6,8,19 【LTE-FDD】B1,2,3,4,5,7,8,12,18,19,26,28 【LTE-TDD】38,41 |
スペック評価・感想
明らかに勝っていると思われる項目を太字にしてみましたが、スペックだけなら旧モデルのOPPO A73の方が良さげ。総合性能はRedmi Note 11が一歩先を行っている印象です。
改めてスペックを確認し、他のスマホと比較するとOPPOはどうしてこのスマホを発売したのだろう?と考えてしまいますね。その真意を知りたくなっちゃいました。
特に以下の3つはスマホを購入するうえで重要ポイント。
- ディスプレイ
- 動作性能
- カメラ性能
どれも他の方法で補うことができない固有の機能・性能だからです。
例えばバッテリーもちが悪いならモバイルバッテリーを持ち歩けば良いですし、イヤホンジャックがないならワイヤレスイヤホンを使えば良いなど、物足りないと感じても意外と何とかなるもの。
ただ、ディスプレイなどは一度買ったら搭載スペックで使い続けるしかありません。
カメラの性能を求めるのなら高価なスマホを購入するしかありませんが・・・。
このため、例え安価なエントリーモデルだったとしても旧モデルから極端に性能を下げるべきではないですし、なるべく他社と同水準であることが望ましいと思っています。
残念ながらOPPO A77はスマホ好きがパッとスペックを見ただけで気付いてしまうくらい性能を下げてしまいました。
どうしても超優秀なRenoシリーズを販売しているOPPOのスマホとは思えないんです。
その結果、発表から間もないにも関わらずGoogleの予測検索キーワードにとんでもないものが含まれています・・・。
もし「2万円台」という価格にこだわってスペックを構成したなら悪手だったかも。
半導体不足や円安の影響でなかなか難しい状況かもしれませんが、3万円をちょっと超えてでも純粋なA73進化モデルにして欲しかったところです。
というかA77の存在があることで、Reno5 AやReno7 Aの良さをさらに引き立たせる戦略なのでは?と邪推すらしてしまいます。
さて、机上の空論はここまでにして、ここからはOPPO A77を実際に使ってみた様子を実機レビューしていくとしましょう。
普段のスマホレビューは外観などから順に紹介していますが、本記事では、どうしても気になった「動作性能」「ディスプレイ」を先にレビューしちゃいます。
OPPO A77の動作性能をレビュー
まずはOPPO A77の動作性能をみていきましょう。
冒頭でもお伝えしたとおり、OPPO A77に搭載されているSoCは台湾MediaTek製の「Helio G35」です。
2020年6月に発表された12nmプロセスを採用したチップセット。
公式サイトではエントリークラスのゲーミングモデルと謳われております。
公式サイト>>MediaTek Helio G35
AnTuTuベンチマークスコア
スマホの基本性能を数値化できるのがベンチマークテスト。
スコアが高ければ高いほど動作性能が優秀ということです。
最も有名なAnTuTuというベンチマークアプリを使ってみたところ、Ver.8の総合スコアは107,548点、GPUスコアは15,018点。
高めのスコアになるVer.9では総合スコアが118,815点、GPUスコアは16,988点という結果になりました。
「このスコアは異常です」と書かれてるのも気になるところなんですが、そんなこと以前にやっぱりスコアがめちゃくちゃ低い・・・。
エントリーモデルとは言え、必要最低限の動作性能でも20万点は欲しいところです。
ちなみにOPPO A73のスコアは約18万点、Redmi Note 11は約22万点でした(AnTuTu Ver.8)。
スマホの進化が著しい現状で、2年前に発売された旧モデルより大幅に低いスコアっていうのは、ちょっと信じられません。どうしちゃったんでしょうか?泣
実際に使っていても、やっぱり全体的にモッサリしています。
標準の設定アプリですら動きはのんびりです。
使い方や使う人によっても異なるでしょうが、さすがにこの性能ではネットサーフィン・SNS・LINEのような普段使いでもストレスを感じる人が多いと思います。
なおこちらのページで、これまでにレビューしたスマホのAnTuTuスコアをランキング形式で掲載していますので、参考に御覧ください。
Redmi Note 11と動作性能を比較
OPPO A77の動作性能は他のスマホと比べてどうなのか?
僕が普段メインで使っているPixel 6a、ライバルスマホのRedmi Note 11と比較してみます。
多くの人が閲覧するであろうYahoo!と楽天市場での表示速度をチェックです。
左からRedmi Note 11・OPPO A77・Pixel 6aの順番で並んでいます。
やっぱり圧倒的にOPPO A77が表示に時間がかかります。
Redmi Note 11とOPPO A77は同じ価格ですからね?ブラウジング程度でここまで差がついてしまうのはちょっと・・・。
Twitterのスクロールなんかもかなりガクガクです。
貸していただいた商品にあれこれ言うのは気が引けますが、OPPO A77の動作性能は他のエントリーモデルのスマホと比べても良くないと言わざるを得ません。
WeTest PerfDogでゲーム性能を計測
普段使いの動作性能もイマイチなのに検証する必要があるのか?とも思いますが、念のためPerfDogというアプリでゲーム性能を測定してみました。
PerfDpgはiOS・Android端末でFPS値やバッテリー温度等を計測できるツールです。15分間の無料使用ができるので、新しいスマホを購入してゲーム性能が気になる場合などに使ってみてください。
企業・インフルエンサー向けの無料プラン(使用時間制限あり)も用意されていますよ。
公式サイト>>WeTest PerfDog
ゲーム性能のベンチマーク的な存在になっている原神をデフォルト設定(低/30FPS)で15分ほどプレイした時のFPSの状況がこちら。
平均FPSは12.4。頑張って戦闘を試みたんですが、ガクガクしてしまってまともにプレイできませんでした。
なおこの結果は3種類あるゲームモードで「プロゲーマーモード」を設定した時の結果になります。
グラフィクも相当粗いですからね。OPP A77で重いゲームで快適に遊ぶのは不可能です。
ただ原神で遊んでいても発熱はそんなに気になりませんでした。
もちろん軽めのゲームであればギリギリ遊べます。
パズドラ・モンストをプレイしていても、メニュー遷移に時間がかかることがあるものの、個人的には許容範囲内でした。
AnTuTuストレージ速度テストのスコア
AnTuTuアプリでストレージ速度のテストもしてみました。
読み込み・書き込みともにめちゃくちゃ遅いです・・・。
ハイエンドモデルの1/10くらいの速度だと思います。
それもそのはず。OPPA A77のROMはeMMCですからね。
なんで現在主流のUFSにしなかったんだーと思うかもしれませんが、搭載しているSoCがHelio G35なのでeMMCにならざるを得ません。
ストレージ速度の遅さはアプリ起動時に影響を与えています。
Amazon Music・YouTubeともにアプリを起動するのに10秒以上かかっていました。
OPPO A77でAmazon Musicアプリを起動 pic.twitter.com/lbs9lespXJ
— ちびめがね@スマホレビュー (@chibimegane_lm) October 4, 2022
OPPO A77でYouTubeアプリを起動 pic.twitter.com/mWSRiOtZo0
— ちびめがね@スマホレビュー (@chibimegane_lm) October 4, 2022
やっぱりスマホを使ううえで、こういう空白時間はなるべく少ないほうが良いですよね。
使いたくてもすぐに使えないのはストレス以外の何者でもありません・・・。
なおストレージ容量はエントリーモデルの割には多めで128GBを搭載。
システム領域に13GB使うので実際に保存可能なのは110GBほどになります。
さらにOPPO A77は最大1TBまでのMicro SDカードを搭載できます。
2回線同時待ち受けをしつつストレージ容量を追加できる点は嬉しいポイントです。
また、内部ストレージを最大4GBまでの仮想メモリに割り当てることができるRAM拡張機能も搭載されています。
ただ4GBのRAM拡張を有効にしてベンチマークテストをしてみましたが、体感できるほどの性能の向上はありませんでした。
うーん・・・。やっぱりOPPO A77の動作性能はどう頑張ってもカバーしきれないくらい良くないですね。
OPPO A77のディスプレイをレビュー
続いてOPPO A77のディスプレイ性能を見ていきましょう。
ディスプレイ解像度HD+はどんな感じなのでしょうか?
解像度1612×720/HD+
OPPO A77のディスプレイ解像度は1612×720のHD+。
FHD+のディスプレイを搭載したスマホが多い中、1つ驚かされたポイントでした(悪い意味で)。
FHD+のディスプレイに見慣れてしまっているので、さすがに粗さが目立つだろー?って思っていたのですが、実際に使ってみるとそれほど気になりませんでした笑
液晶パネルなので有機ELほどのメリハリはないものの、何を表示させてもそれなりに綺麗に見えます。
ライバルスマホのRedmi Note 11(有機EL/FHD+)と比較しても、ネットサーフィンくらいであれば大きな違いは感じにくいです。
もちろん、じっくり見ればOPPO A77のほうがモヤっとしてはいますが。
個人的にはこのくらいの表示であれば十分使えるなーと感じています。
Widevine L3でSD画質
他のスマホと明確に画質の差を感じたのは動画視聴時です。
デジタル著作権管理方式WidevineのセキュリティレベルはL3なので、Netflixの最大再生解像度はSDになってしまいます。
FHD表示に対応しているスマホと比較すると、画質の粗さが目立ちますね。
左がOPPO A77で右がPixel 6a。スライダーを動かせば画質の違いを比較できます。
ただ不思議なんですがホワイトリスト方式を採用しているAmazonプライム・ビデオでは、なぜか「HD 1080p」に対応はしていました。当然720pにダウンスケーリングされると思いますが。
また、YouTubeでもなぜか「2160p60」まで設定可能に。Redmi Note 11では最大「1080p60」なのに不思議です・・・。
動画の画質を1080p60に設定して見比べてみましたが、どちらも綺麗で大きな違いは感じません。
外出中にYouTube見る時ってみなさん480pとか720pで見てますよねきっと。
ちょっとYouTube見るくらいであれば意外といけちゃうと思います。
解像度HD+はどれほど酷いのかとドキドキしていましたが、よほど画質に拘る人じゃない限り、普段使いで困ることはなさそうです。
明るさ/視野角
OPPO A77の最大輝度は600nit。屋外で使うと見にくいかなーと心配していましたが、明るさの自動調整も上手で意外と大丈夫でした。
砂漠とか砂浜で直射日光をバリバリに浴びでもしない限り、困ることはないでしょう。
一方で視野角は狭く、ある程度傾けると画面が暗くなってしまいます。
ゴロ寝スマホが好きな人は注意が必要ですね。
また画像では分かりにくいかもしれませんが、画面下部の黄ばみも個人的に気になるポイントでした。
ディスプレイサイズは6.5インチ
OPPO A77のディスプレイサイズは6.5インチ。
画面占有率89.9%と下部のみ太めですがベゼルも狭く、広い表示領域が確保されています。
6.1インチのPixel 6aと比べるとこんな感じ。大画面ディスプレイは1度に目に入る情報量が多くなるのがメリットですね。
ただ基本的に操作は両手持ち。片手で操作しようとしても端まで指が届きません。
慣れてくれば文字入力くらいなら片手でもいけるとは思います。
インカメラはノッチ内タイプ
インカメラはディスプレイ上部の水滴型ノッチ(切り欠き)内に搭載。
パンチホール型インカメラをレビューする機会が多かったので、久しぶりに見ると少し古臭く感じました。
表示の邪魔になりそうですが、実際に使ってみるとそこまで気になりません。
全画面表示での動画視聴やゲームでも極端に邪魔に感じることはないでしょう。
リフレッシュレート・タッチサンプリングレート60Hz
OPPO A77の画面リフレッシュレートは60Hzで、高駆動ディスプレイではありません。
エントリーモデルのスマホならこれは仕方ない部分ですね。
最新のiPhoneでも60Hzですし特別珍しいことではありません。
それよりも気になるのがタッチサンプリングレートも60Hzなところ。
旧モデルのOPPO A73のタッチサンプリングレートが135Hzだったので、タッチ感度が大幅に下がってしまいました・・・。
Touch MulitiTestというアプリで測定した結果は170Hz。
なんだ全然大丈夫じゃん!って思うかもしれませんが、このアプリはどうも高めの数値になってしまうようで、タッチサンプリングレート180HzのRedmi Note 11では260Hzになっていました。
実際に使っていても、時々指の動きにディスプレイが付いてこないと感じることがありました。上から下にスワイプしている時、なんとなく遅れているような?
普段使いで感じるってことは、繊細なタッチが求められる音ゲーなんて絶対できないと思います。
OPPO A77のデメリットになりそうなディスプレイ性能でしたが、想像よりは悪くない印象。ライトユーザーならギリギリセーフと言ったところでした。
OPPO A77は音楽再生機能に一筋の光が見える!
いまひとつパッとしないOPPO A77ですが、実際に使っていて音楽再生には長けていると感じました。
エントリースマホながらも優秀なポイントになると思います。
ステレオスピーカー搭載
OPPO A77には上部・下部それぞれにスピーカーが搭載されているので、横持ちならステレオサウンドを楽しむことができちゃいます。
下部スピーカーの方が若干音が大きく感じるものの、片側だけのモノラル再生とは雲泥の差で臨場感と迫力あるサウンドを楽しめます。
音質自体はそれなりといったところで、ハイエンドスマホほどリッチな雰囲気はなく、少しこもった雰囲気でした。
シーンによって音質を調整できる「リアルサウンドテクノロジー」も搭載。
さらに、音量を最大にしても音質やバランスが破綻しにくい「ウルトラボリュームモード」もありました。
イヤホンジャック搭載
OPPO A77には、本体下部に3.5mmイヤホンジャックがあります。
スピーカーの音質では満足できない人にも安心ですね。
イヤホンを使用している時はリアルサウンドテクノロジーに「Real HD Sound」が追加。
スウェーデンDirac社の音響最適化技術が活かされた補正効果になり、シーンを音楽にするとイコライザ調整をすることも可能です。
自分好みの音質にできるのは、音楽好きには嬉しいポイントになると思います。
BluetoothコーデックはLDACに対応/96kHz・24bitもOK!
スマホにワイヤレスイヤホンを接続して使う人も多いと思います。
その場合に気になるのがBluetoothコーデック。
実際に接続してみたところ、以下のコーデックに対応していました。
- SBC:○
- AAC:○
- aptX:○
- aptX HD:○
- aptX Adaptive:✕
- LDAC:○
- LHDC:✕
残念ながらaptX Adaptiveは非対応でしたが、LDACにはしっかり対応。
さらにAmazonプライムミュージックのストリーミング再生では、日本オーディオ協会が求める「96kHz/24bit」出力にまで対応していることが分かりました。(Amazon Musicアプリがおかしくなければ・・・。)
有線はもちろん無線でも純然たるハイレゾサウンドが楽しめます。
ハイエンドスマホでさえSRCによるダウンサンプリングが原因で「24bit/48KHz」のハイレゾ止まりのものが多いので、かなり貴重なポイントです。
OPPO A77の音楽再生機能は他のエントリーモデルよりも優秀と言って良いでしょう。
OPPO A77のデザイン・サイズ感をレビュー
OPPO A77の外観を見ていきましょう。
なお、今回は本体のみのお借りしたので付属品は紹介できませんが、公式サイトによると以下が付属しているようです。
- ACアダプター
- USB Type-C データケーブル
- SIM取出し用ピン(試供品)
- 保護ケース(試供品)
- 保護フィルム(試供品)
- 安全ガイド
- クイックガイド
33W急速充電器が付属しているのは嬉しいポイント。
また、保護ケースも保護フィルムもしっかり付いてきます。
購入してすぐに使い始めることができるのは素晴らしいですね。
デザイン
OPPO A77のカラーバリエーションは以下の2色。
- ブラック
- ブルー
このうち今回お借りしたのはブラックです。
OPPO A77は背面パネルが特徴的。
2022年6月に発売されたOPPO Reno7 Aと同様に「OPPO Glow(オッポグロー)」が採用されております。
サラサラとした質感の樹脂製パネルには目に見えない無数の凹凸が並んでいます。
それが乱反射することで、ラメでもあるかのようにキラキラと輝くわけです。
ただ、以前レビューしたOPPO Reno7 Aはブルー系で、めちゃくちゃ綺麗に輝いていたんですがブラックだと分かりにくいかも。
背面パネルの質感もよく、サラッサラで触り心地が抜群。指紋が目立ちにくいのもGOODです。
上部にはカメラユニットを搭載。
レンズが2つ見えますが、1つは深度計測用なので実質1眼構成になります。
カメラユニットの出っ張りは1.5mmほどで、ケースを装着すれば剥き出しになることはないでしょう。
フレームに向かって湾曲しているデザインのスマホが多いですが、OPPO A77はフラット形状。
フレームは金属製で光沢の少ないマットなデザイン。
ディスプレイを正面にして右側面には指紋認証センサーが搭載された電源ボタン。
左側面にはカードスロットと音量ボタンがあります。
本体を握るようにスクショを撮影できますね。縦並びよりもこっちの方が好みです。
カードスロットは2枚のSIMカードとMicro SDカードを同時に装着できるタイプです。
本体下部にはイヤホンジャック・マイク・USB-Cポート・スピーカーを搭載。
本体上部には何もありません。
OPPO Glowも含めて外観デザインはOPPO Reno7 Aにそっくり。
このため、エントリーモデルながらも、安っぽさを感じさせません。
さらにOPPO A77はOPPOによる厳しい耐久試験にもクリアしています。
安いスマホながらも壊れにくいのも嬉しいポイントです。
サイズ感
OPPO A77のサイズは163.7mm × 75.0mm × 8.0mm。
6.5インチのディスプレイを搭載しているだけあって巨大です。
ただ大きいのは間違いないのですが、厚みがそんなにないせいか非常に持ちやすいです。
ライバルスマホのRedmi Note 11と比べるとこんな感じ。
6インチを超えるディスプレイを搭載していながら比較的軽いところも持ちやすい要因になっているのかもしれません。
200gを超えるスマホも多い中、190gに収まっていました。
OPPO A77のバッテリー性能をレビュー
続いてOPPO A77のバッテリー性能・充電速度をみていきましょう。
PCMarkバッテリーテストの結果
OPPO A77のバッテリー容量は5,000mAhと、スペック的には大容量です。
ただいくらバッテリー容量が多くても、すぐに充電がなくなってしまったら意味がありません。
そこで、バッテリーは長持ちなのかPCMarkというベンチマークアプリでテストしました。
PC Markは数値からバッテリー性能を計算しているわけではなく、実際にスマホを動作させて100%から20%までのバッテリー消耗時間を測定しているので信頼できる結果だと思っています。
計測の結果、バッテリー残量100%から20%まで消耗する時間は13時間44分でした。
そこそこ優秀な結果で、1日フルで使っても途中で充電切れになってしまう心配はないでしょう。
ただ搭載SoCや動作性能を考えると、もっとぶっ飛ぶくらいに長持ちであって欲しかったのが本音。個人的にはちょっと期待外れでした。
OPPO A77が最適なユーザー層はハードにスマホを使うことはまずありませんからね?
ひょっとすると何よりバッテリーもちが一番重要と考えているかもしれません・・・。
ちなみにライバルスマホのRedmi Note 11の結果は約14時間50分なので、PCMarkのスコア的には負けてしまいました。
これまでレビューしてきたスマホのPCMark計測結果をランキング形式で掲載しているので、参考に御覧ください。
33W急速充電に対応
大容量バッテリーを搭載している弊害は充電時間が長くなってしまうこと。
急速充電規格に対応していなければ、いつまで経っても充電が終わらないなんてこともあり得ます。
この点、OPPOA77は独自急速充電規格「33W SUPERVOOC」に対応しております。
残念ながら本体のみの貸出だったので実際に充電している様子をお届けできませんが、同じ33W急速充電に対応しているRedmi Note 11では、20%から100%まで1時間で充電できちゃいました。
5W充電、10W充電なんかに比べるとかなり早いですね。
エントリーモデルでも急速充電が使えるのは大きなメリットと言えます。
ちなみに他社製の充電器を試してみたところ、USB-Aでは10W前後、USB-Cでは15W前後で充電できていました。
USB-Cで20%から100%までの充電にかかった時間は約2時間。
ある程度時間がかかってしまうので、やっぱり付属充電器を使ったほうがいいですね。
なお、ワイヤレス充電には対応していないのでご注意ください。
OPPO A77のカメラ性能をレビュー
スマホを購入するうえで気になるのはディスプレイ・動作性能、そしてカメラ性能ですね。
OPPO A77には2つのカメラが搭載されていますが、1つは深度計測用なので実質メインカメラのみの1眼構成。
スマホのカメラは指先1つで誰でも簡単に綺麗な写真が撮影できることが重要です。
OPPO A77のカメラ性能はどれほどなのか?実際に撮影した作例を紹介するので参考にご覧下さい。
ブログ掲載の都合上、写真は全てリサイズしています。
カメラアプリ
OPPO A77のカメラアプリはとってもシンプルです。
1倍・2倍・5倍ズームがワンタップで切替可能で使いやすい。
プロモードで細かな調整をしながらの撮影も可能でした。
スクショの音はサウンド設定で消せますが、シャッター音を消す項目は見当たりませんでした。地域を海外にすれば消せるのかもしれませんが試していません。
メインカメラ
それではメインカメラでどんな写真が撮影できるのかチェックです。
比較用に僕が持っているスマホの中で最もカメラ性能が高いPixel 6 Proで撮影した写真を並べています。
スライドバーは自由に動かせるので比べてみてください。
以降、左の写真がOPPO A77、右の写真がPixel 6 Proで撮影したものになります。
日中の明るいシーンであれば、それなりに綺麗な写真が撮影できます。
ただ全体的に白くボヤっとした雰囲気。濃淡が少なく被写体が持っているエネルギー?を感じにくい簡素な写真になってしまいました。
比較したPixel 6 Proの写真は割りと派手になる傾向があるので、尚更そう感じるのかもしれません。
今回の屋外撮影では使ってないのですが「ダズルカラー」というAI補正機能があり、有効にすればもう少し華やかな写真になっていたかもしれません。
左が通常撮影で右がダズルカラーを有効にしたもの。色合いが変わっているのが分かります。
50MP高画素モード
OPPO A77のメインカメラは5,000万画素での撮影も可能です。
通常撮影では4つの画素を束ねて約1,250万画素にすることで感度を上げています。
なんとなく画素数が高いほうが高精細に撮影できると思うかもしれませんが、そこまで大きな違いを感じることはないかも・・・。
左が通常撮影で右が高画素モードで撮影したものですが違いが分かりますか?
パッと見は全然違いが分からないと思います。
高画素モードで撮影できるメリットはトリミングです。
とりあえず広い範囲を撮影しておいて、後から必要な部分だけを切り取る時に重宝します。
確かに言われてみれば50MPで撮影したほうが解像感が残っているような気もしますが、明らかな違いを感じるほどでもないですね。
50MPで撮影するとファイルサイズも大きくなってしまうので、普段使う場合には通常撮影で良いでしょう。
最大5倍のデジタルズーム
OPPO A77には望遠カメラが搭載されていないので、デジタルズームで最大5倍まで引き伸ばしての撮影になります。
【2倍】
【5倍】
粗さを感じないのは2倍ズームくらいまでで、それ以降はどんどん解像感がなくなっていきます。これはもう仕方ないので諦めましょう。
やっぱりハイエンドモデルで望遠カメラが搭載されていると画質が全然違いますよね。
ミドルレンジ、エントリーモデルでは歯が立ちませんよ。
夜景モード
OPPO A77には夜景モードが搭載されているので低照度下でも綺麗に撮影できる・・・はずなんですがこちらを御覧ください。左が通常撮影で、右が夜景モードです。
あまりにも明るさが足りないシーンでは全く機能しませんでした笑
引き続き強力な夜景モードを搭載しているPixel 6 Proとの比較です。
ある程度明るい場所で撮影してみたのですがノイズがかなり発生しています。
OPPO A77の夜景モードは使えないですね。厳しい・・・。
なお夜景モードで撮影すると、自動でクロップされるようです。
ポートレートモード
簡単に背景ボケのある写真が撮影できるポートレートモードもあります。
深度用カメラを搭載しているおかげか、被写体の切り取りは上手です。
撮影しながらボケ具合を調整することもできます。
人物以外の被写体でもボケモード的に使えますが、精度はイマイチ。
人物撮影用の機能と割り切ったほうが良いようです。
インカメラ
OPPO A77のインカメラは800万画素。
有効画素数が全てではないようで、それなりに綺麗に撮影できていました。
インカメラでもポートレート撮影が可能。リアカメラ同様に撮影しながらボケ味の調整が可能でした。
動画撮影
OPPO A77で動画撮影もしてみました。
1080P@30fpsで日中・夜間に撮影しています。
明るい場面では写真同様に色味は薄いもののそれなりの画質になりますが、手ぶれ補正が全く利かないので動きながらの撮影は難しいです。
夜間はノイズが激しいのでさらに厳しくなります。
結局OPPO A77に搭載されているSoCがHelio G35なので、画像処理能力も低くなってしまい、結果としてカメラ性能が弱くなっているようです。
OPPO A77は簡単に綺麗な写真が撮影できるスマホとは言えないかもしれません。
OPPO A77を実機レビュー
ここからはOPPO A77の動作性能やカメラ性能以外の気になった部分を紹介していきます。
OSはColorOS 12を搭載
OPPO A77にはAndroid12をカスタムしたOPPO製「ColorOS」の2022年最新バージョン12がプリインストールされていました。
以前のColor OSの評判はあまり良くなかったのですが、Ver.7あたりから使いやすくなったとのこと。実際に使っていても特に不便だなと感じるポイントはありません。
カスタムOSと言っても癖がなく、分かりやすくて良い感じです。
メーカーによってOSは様々で、人によって使いやすい・使いにくいがあるとは思いますが、最終的には「慣れ」。
長く使っていけば自分が使いやすいようになっていくので神経質になることはありません。
カスタマイズもそれなりにできるので、OPPO A77を自分好みにのスタイルにできます。
アプリクローンに対応
海外スマホによく搭載されているデュアルアプリ機能がOPPO A77にもありました。
OPPOでは「アプリクローン」と呼ばれている機能です。
アプリを複製することができる機能で、例えばLINEを複製すれば、1台のスマホで仕事用とプライベート用のアカウントを使うことが可能。
全てのアプリに対応しているわけではないようですが、サブアカ運用が1台のスマホでできちゃうのは便利すぎます。
デュアルアプリはRedmi Note 11では使えない機能なので、小さいですが有利なポイントでもあります。
この他、フローティングウィンドウや画面分割などの便利機能もしっかり搭載。
どちらも大画面ディスプレイが活かされる機能なので、これまで使ったことがない人は試してみてもいいでしょう。
生体認証は指紋認証&顔認証
OPPO A77の指紋認証センサーは側面電源ボタンに搭載。
反応はけっこう良い感じで、ちょっと触るだけでロック解除できました。
インカメラによる簡易的なものですが顔認証にも対応。
こちらの反応はまずまずと言ったところでロック解除までにワンテンポありました。
未だマスクを装着する機会が多いので、指紋認証・顔認証どちらにも対応しているのは嬉しいポイントです。どちらか片方だけではやっぱり不十分ですよね。
4キャリアに対応したBand構成
OPPO A77は国内4キャリアのBandにフル対応しています。
主要Band一覧表 | |
ドコモ回線(○) | Band 1 ○ Band 3 ○ Band 19(プラチナバンド)○ |
ソフトバンク回線(○) | Band 1 ○ Band 3 ○ Band 8(プラチナバンド)○ |
au回線(○) | Band 1 ○ Band 18(プラチナバンド)○ Band 26 ○ |
楽天回線(○) | Band 3 ○ Band 18(パートナー回線)○ |
どの回線でも使うことができるスマホならMNPもしやすいですね。
ただし、5G回線には非対応で、eSIMにも対応していません。
以前なら5G回線非対応でも問題ないと言っていましたが、さすがに2022年後半にもなると対応しているのが当たり前の状況になってきています。
1台のスマホを長く使って欲しいなら、エントリーモデルでも5G回線に対応しておくべきですね。
防塵防水性能はIP54等級
OPPO A77が対応している防塵防水性能はIP54等級。
保護等級 | 保護内容 |
IP5X(粉塵保護) | 機器の正常な作動に支障をきたしたり、安全を損なう程の量の粉塵が内部に侵入しない |
IPX4(防沫) | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない |
防塵性能はそれなりにありますが、防水はそれほど強くありません。
小雨がかかる程度であれば壊れることはないくらいで、生活防水に毛が生えた程度と思っておきましょう。
プールで使うのはもちろん、お風呂・シャワー等での利用は避けましょう。
誤って落としてしまうと壊れる可能性が高いです。
水に濡れた場合は、よく乾燥させてから充電するようにしましょう。
水分がある状態での通電は非常に危険です。
まとめ:OPPO A77のメリット・デメリット・評価
OPPO A77を実機レビューいたしました。
最後に本記事のおさらい。メリット・デメリット・評価を紹介いたします。
メリット・デメリット
買うべきメリット、購入前に確認しておきたい注意点は以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・OPPO Glowが綺麗 ・サラサラ背面パネル ・大きい割に扱いやすい ・33W急速充電 ・ステレオスピーカー ・LDAC/96kHz・24bit ・デュアルアプリ対応 ・付属品が充実 | ・動作性能が弱すぎる ・ゲームは厳しい ・eMMC ・HD+ディスプレイ ・Widevine L3 ・タッチサンプリングレート60Hz ・バッテリーが物足りない ・カメラ性能イマイチ ・超広角カメラなし |
評価
(2.5点/5点満点)
2万円台のエントリーモデルながら、ステレオスピーカー・33W急速充電を搭載しているのは素晴らしいポイント。
音楽再生性能に長けており、OPPO Reno7 Aのような美しいデザインも魅力です。
ただ、ただですね、やっぱり動作性能が低すぎました・・・。
こんな風に紹介したかったのですが、そういうわけにもいかず残念(泣)
どんなにデザインが良くても、機能が充実していても、動作性能が伴っていなければイマイチなスマホと評価されてしまいます。
また、Redmi Note 11の存在も大きすぎました。
全く同じ価格なのに、機能・性能ともに勝っているので太刀打ちできません・・・。
個人的には価格が少し上がってしまったとしても、SoCさえ違うものが搭載されていれば評価が違ったんじゃないかと思います。
OPPO A77は決して「買ってはいけないスマホ」ではありませんが、スマホ初心者よりも機能・性能に詳しい人向けだと思います。
通話しか使わないし、このくらいの動作性能でも十分!と分かったうえで購入すれば、後悔することもないでしょう。
OPPO A77で「できること・できないこと」を理解したうえで購入すべきスマホだと思います。