ACEFAST様に完全ワイヤレスイヤホン「T1」をご提供いただきました。
ACEFAST製のワイヤレスイヤホンをレビューするのは「T2」に続いて2台目。
T2は5,000円台という価格設定ながらも「ノイキャン」「外部音取り込み機能」が搭載されたコスパの高いモデルでした。
T1は付加価値的な機能は搭載されていないものの約3,000円で購入できるのが特徴です。
ただ安いだけのワイヤレスイヤホンは山ほど売っていますが、果たしてACEFAST T1の実力はどれほどのものか、実際に使ってみたのでレビューしていきます。
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ACEFAST T1のデザイン・サイズ感・付属品をレビュー
T1はACEFAST社の左右分離型完全ワイヤレスイヤホンです。
中国深圳市のHoushuxia Technology Co., Ltd. が手掛けるブランドACEFASTでは、イヤホンなどのオーディオ機器はもちろん、充電器やケーブルなどPC・スマホ関連商品を多数販売しております。
公式サイト>>ACEFAST
まずACEFAST T1のデザインやサイズ感、付属品を見ていきましょう。
充電ケースのデザイン・サイズ感
ACEFAST T1にはカラーバリエーションはなくブラック1色。
充電ケースは光沢が抑えられたマットなカラーリングで指紋が付きくいのは嬉しいポイントなのですが、皮脂汚れが少々目立ちます。
表面にはブランド名の印字とLEDインジケーターを搭載。
LEDインジケーターは充電ケースのバッテリー残量を教えてくれます。
ただ、ボタンを押したら点灯する等の機能はなく充電中のみ光る仕様。これではLEDインジケーターを搭載している意味があまりないような気がしますね・・・。
- 1個点灯:0%~25%
- 2個点灯:25%~50%
- 3個点灯:50%~75%
- 4個点灯:75%~100%
ケース背面には何もありません。見てのとおりスリ傷も結構目立ちますね。
本体下部には充電用のUSB-Cポート。底面がラウンド形状なのでケースは自立できません。
イヤホンを充電ケースに挿入して収納するタイプ。L/Rの表示がされている以外に物理ボタン等はありません。
イヤホンと充電ケースはマグネットで固定されているので簡単には外れません。
こんな感じで逆さまにしても落ちないので安心です。カバンの中で不意に蓋が開いてしまうとイヤホンが行方不明になったりしますからね。
上蓋の内側にバッテリーのスペックと各種認証マークが印字されていました。技適マークはここで確認できます。
ケースのサイズは60×49×29mmと比較的コンパクト。
AirPods(第3世代)より一回り大きいくらいですね。
重さはイヤホンを収納した状態で42gと軽量です。かなり軽いですよ。
イヤホンのデザイン・サイズ感
イヤホンは脚のように伸びたスティックがあるタイプ。ハウジングの一部が円形の金属製になっており、ここにタッチセンサーが搭載されています。カッコイイ。
スティックの下部に通話用のマイクが搭載されていました。
スティックはそれほど長くはないので耳から垂れ流れている感が少ないです。
なお、ハウジングの表面・裏面で僅かに光沢感が異なっていました。指で触れる機会が多い表面のほうが光沢が少なくなっています。素晴らしいこだわり。
L/Rの表示は裏面に。形状的に左右を付け間違えることはないと思いますが笑
ハウジングが全体的にラウンド形状になっているのでケースから取り出しにくい場合があると思いますが、タッチセンサー部分に親指をそえて摘むと取り出しやすいですよ。
サイズ感はAirPods(第3世代)より少し大きいくらい。ハウジングに厚みがあるので大きく感じるかもしれません。
重さは片耳5gと非常に軽量です。ワークアウトの時に使っても邪魔になりませんね。
付属品
ACEFAST T1の付属品は以下の通りです。
- クイックスタートガイド
- 充電ケーブル
- イヤーピース
マニュアルにはしっかり日本語ページも用意されておりました。
充電ケーブルはUSB-A / USB-Cのもの。充電器は付属していないのでご注意ください。
ただ充電にそれほど大きな電力は必要としていないので、今使っているスマホの充電器なんかを代用すれば問題ありません。
イヤーピースは最初から装着されているものを含めて3サイズ。
1つ1つ大きさが違うので全部試したほうが良いですよ。イヤーピースのフィット感は音質に繋がりますからね。
イヤーピースの交換は引き抜くだけなので簡単です。
ステムの形状は円形なので他社製のものに交換できそうです。直径は実測で約5.9mmでした。
ACEFAST T1を実機レビュー
ここからはACEFST T1を実際に使ってみた様子をレビューしていきます。
ペアリングは探してタップするだけ
ワイヤレスイヤホンはスマホなどどBluetoothペアリングをして利用しますがペアリングがややこしいと使う気が起きなくなります。簡単に切断されてしまったり。
ACEFAST T1は簡単にペアリングできるのでご安心ください。
箱から取り出して上蓋を開けるとペアリングモードに突入。イヤホンに搭載されているランプが赤/白に点滅していればペアリングモードです。
あとは接続デバイスのBluetooth設定で「ACEFAT T1」を探してタップするだけ。
iOSデバイスでもAndroidデバイスでも同様です。
なぜかPixel 6 Proとはペアリングできず・・・。
ACEFAST T1はマルチペアリングに対応しているようなので復数デバイスとの接続を試していたのですが、なぜかPixel 6 Proとはペアリングできず・・・。
再起動をしたり、初期化したりと色々試すもACEFAST T1が見つかりません。
Pixel 6 Proをお使いの方はご注意くださいませ。
低音が特徴的な音質
ワイヤレスイヤホンを使用する上で最も重要なのは当然音質。
ACEFAST T1の音質はどんな感じなのか紹介していきます。
なお、音質は簡単に数値化できる性能ではないので、あくまで僕自身の感覚。
また、接続するデバイスによって音質が変わるので注意が必要です。
特にAndroidスマホには「Dolby Atmos」や「Dirac」のようなオーディオチューナーが標準搭載されているものも多く、イコライザーが常に働いている状態です。
本記事では極力外部要因を排除できるように、イヤホン本来の音質を実感しやすいiPhone 12 miniに接続して音質を試しています。
ACEFAST T1の音質は低音重視のサウンド。以前にレビューしたACEFAST T2を同じ傾向の音質でした。
やはりEDMや近年のHIPHOPのような電子音を多用した楽曲にハマります。
その他の音域も悪くはないですが、こもった音はしないものの薄い膜で覆われているようなボヤけを感じました。
いわゆるドンシャリとは少々傾向が異なり、高音が耳に刺さるような感じはしません。
定位感はハッキリしているものの、音場は狭く、多くの音が鳴っている場面だと少しゴチャゴチャした感じになります。
じっくり腰を据えて良い音で音楽を楽しむ用途には向いていませんが、通勤通学中やワークアウト中に気軽に音楽を聞くくらいなら十分満足のいく音質です。
ACEFAST T1とSONY WF-1000XM4の音質比較
僕が使っているイヤホンの中で最も高音質(自分の好み)な「WF-1000XM4」と同じ曲の聴き比べもしてみました。
さすがハイエンドイヤホン。音の解像度の違いがハッキリ出てしまいました。
ACEFAST T1で聞くと音の輪郭がボヤッとしてしまいますが、WF-1000XM4では「音の形」を感じることができます。(当然、音に形はないので感覚の話です笑)
低音の力強さは間違いなくACEFAST T1の方が勝っています。ただ、それも良し悪しがあって、逆にバランスが悪いと感じてしまうこともありました。
楽曲の雰囲気が丁寧に、繊細になればなるほどWF-1000XM4の音質の良さがどんどん輝いていくイメージです。
本記事で試聴した楽曲は以下のとおり。Amazon Music Unlimitedで「空間オーディオ」をOFFにして聴いています。
- 東京/SUPER BEAVER
- 人として/SUPER BEAVER
- EPISODE 7 feat.Kj/スケボーキング
- 東京/PEDRO
- ふがいないや/YUKI
- アゲイン/WANIMA
- 残響散歌/Aimer
- 一途/King Gnu
- マザーランド/Ado
- 心という名の不可解/Ado
- THE LOOK OF LOVE feat.FERGIE/SERGIO MENDES
- Spectrum/Zedd
- STAY/The Kid LAROI & Justin Bieber
- Shockave/Marshmello
スペック通りのバッテリー性能
ACEFAST T1の連続再生時間はスペックでは5時間。
実際に音量半分ほどにして使い続けてみたところ、4時間で80%バッテリーを消費しました。1時間あたり20%なので、スペック通り音楽の連続再生時間は5時間で間違いないようです。
充電ケースとの併用で最大25時間利用可能。1日2時間使っても2週間くらいケースを充電しなくて良いと考えれば十分なバッテリー性能でしょう。
耳にフィットする装着感
イヤホンの装着感は耳の形に左右されるので評価が難しい部分ですが、僕の耳には合っていました。しっかりフィットしてくれたので簡単に外れ落ちることもありません。
付属のイヤーピースは素材的にペラペラなのですが、軸に厚みがあるのでフィット感が強くなるのかもしれませんね。
フィット感が強いと隙間を埋めてくれるので耳栓のように遮音性能が高くなります。
このため、イヤホン自体のノイズキャンセリング効果(パッシブノイズキャンセリング)により周囲の騒音が聞こえにくくなって重宝します。
反面、遮音性が高いとカナル型イヤホン特有の「閉塞感」が強くなります。苦手な人もいると思いますので、ご注意ください。
イヤホンでタッチ操作可能!音量調節はできません
ACEFAST T1は、イヤホン本体の丸い金属部分をタッチすることで音楽再生アプリや通話をコントロールできます。
具体的な操作方法は以下のとおりです。
左右どちらか1回タップ | 再生/一時停止 通話応答/終了 |
左右どちらか2回タップ | 電話を受ける/切る |
右を2回タップ | 曲送り |
左を2回タップ | 曲戻し |
左を3回タップ | 音声アシスタント起動 |
残念ながら音量調整はできませんでした。
タッチ操作の反応はかなり良好で、ちょっと触れるだけでも操作可能。ただ、イヤホンの位置を直す時に誤って触れてしまうこともありました。
通話時のノイズキャンセリングが良い感じ
LINEの通話機能でACEFAST T1の通話品質をチェックしてみましたが、会話をするのに特に問題はありませんが、音質は普通といった感じでした。
通話相手の声もこちらの声も少々ガサガサした音に聞こえてしまいます。
ただ、通話時の外部音をカットしてくれるノイズキャンセリングの効果は良い感じでした。
近くでドライヤーを使って通話を試してみたのですが結構普通に話せましたよ。
普段使いでこのくらい使えれば個人的に不満はありませんが、クリアで高い通話音質を求めているのならACEFAST T1は向いていないかもしれませんね。
ACEFAST T1に搭載されているノイズキャンセリングは通話時専用です。アクティブノイズキャンセリング(いわゆるノイキャン)機能はありません。
遅延は動画視聴なら気にならない
Bluetoothで音声データを伝送する使用上、ワイヤレスイヤホンに遅延はつきもの。
ACEFAST T1は低遅延コーデックに対応していないので、どうしても遅延は発生してしまいます。
ただ、動画視聴やライトなゲームくらいであれば気にならないレベルの遅延。
2時間の映画をACEFAST T1を使って視聴しましたが、口の動きと音のズレは殆ど感じませんでした。
音ゲーのように遅延がシビアな場合には使えませんが、普段使いで困るシチュエーションは殆どないと思います。
IPX6等級の耐水性能
ACEFAST T1にはIPX6等級の耐水性能があります。
かなり強い勢いで水を噴射しても壊れないレベルで、雨やワークアウトの汗くらいなら平気で使えるほどの強い防水性能です。
ただ、浸水には耐えられないので、水の中にポチャっと入れてしまうと壊れます。また、ズボンのポケットに入れっぱなしにして洗濯してしまってもアウトです。
お風呂はもちろん、シャワー中の利用も壊れるのでやめておきましょう。
ACEFAST T1のスペック
再生時間 | 音楽等:5時間 通話:4時間 ケースと併用:最255時間再生 |
充電時間 | イヤホン:1.5時間 充電ケース:2.5時間 |
バッテリー容量 | 充電ケース:400mAh イヤホン:40mAh |
充電端子 | USB-C |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
重さ | ケース:約34g イヤホン:約4g |
Bluetooth | Ver5.0 |
通信距離 | 10m |
防水規格 | IPX6(イヤホン) |
チップ(SoC) | PixArt 1623 |
Bluetoothプロファイル | 不明 |
対応コーデック | AAC,SBC |
ドライバーサイズ | 6mm |
周波数応答 | 20Hz~20KHz |
インピーダンス | 16Ω |
まとめ:ACEFAST T1のメリット・デメリット・評価
ACEFAST T1をレビューしました。
最後に本記事のおさらい。評価・メリット・デメリットは以下のとおりです。
ACEFAST T1 (3点/5点満点) | |
メリット | デメリット |
・3,000円台購入可能 ・低音重視の音質 ・十分なバッテリー性能 ・通話時のノイズキャンセリング効果 ・IPX6防水性能 | ・音質の解像度はイマイチ ・通話品質がイマイチ ・ノイキャンなし ・外音取り込みなし ・ワイヤレス充電なし ・装着検知なし ・コンパニオンアプリなし |
3,000円台で購入できるワイヤレスイヤホンとしては、低音がよく利いたパワフルな音質で満足度が高いと思います。
ただ人気の付加価値的な機能が一切搭載されていないのは寂しいポイントです。
あと2,000円多く払えるのならACEFAST T2の方がおすすめできます。あちらは5,000円台ですが、ノイキャンと外部音取り込み機能が搭載されていますからね。
ただ通話時のノイズキャンセリング効果がけっこう高いので、外出中に音声通話をする人はこちらの方が向いているかもしれません。