AfterShokz様にOpenMoveをご提供いただきました。
興味はあったもののこれまで使ったことのない骨伝導イヤホンに初挑戦。
音の聞こえ方や音質、装着感はどんな感じなのか?
本記事で詳しくレビューしていきます。
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AfterShokz OpenMoveのメリット・デメリット・評価
OpenMoveはAfterShokz製の骨伝導イヤホンです。
AfterShokzは10年以上に渡って骨伝導イヤホンを開発・販売しており、骨伝導イヤホンと言えばAfterShokzの名前が浮かぶぐらいの有名メーカー。
今回サンプルをご提供いただいたOpenMoveは、様々なラインナップの中で2020年に発売されたエントリーモデルです。
まずAfterShokz OpenMoveのメリット・デメリット・評価をまとめて紹介していきます。
メリット
- 周囲の音を遮らずに音楽を楽しめる
- 軽くて装着感が良好
- バッテリーもちが良い
- Bluetoothマルチポイント対応
- IP55防塵・防水性能
デメリット
- 音質が良いわけではない
- 音漏れがする
- コンパニオンアプリがない
- 価格が9,999円
評価
(4点/5点満点)
耳が開放されているのでイヤホン特有の閉塞感がなく、周囲の音を遮ることなく音楽を楽しめる新感覚の骨伝導イヤホン。
音質はそこまで高いものではありませんが、いつでも大好きな音楽に包まれている感覚は音楽好きの人にとっては最高の環境となります。
屋外ワークアウトの安全性が高まり、通話品質が良好な点もポイントで、テレワークやオンライン授業にも最適です。
価格が9,999円(税込)と少々お高めですが、十分その価値はあると思いました。
AfterShokz OpenMoveのデザイン・付属品
AfterShokz OpenMoveには4色のカラー展開があります。
- スレートグレー
- アルパインホワイト
- エレベーションブルー
- ヒマラヤンピンク
僕がご提供いただいたのはアルパインホワイト。
光沢の少ないマットな色合いなのでホワイトの割に落ち着いた雰囲気ですね。
バンド部分はチタン製でシリコンのカバーでコーティングされているようです。
耐久性がありながら伸縮性にも優れていてよく動きます。
イヤーフックはポリカーボネード製ですが、シリコン素材かと思ってしまうほどしっとり滑らかな触り心地。
黒の部分が振動することで、音が内耳に直接伝わる仕組みになっています。
直接肌に触れる部分ですが、質感は良好で痛くなることはないでしょう。
ちなみにこの黒い部分にはマグネットが搭載されているので、左右のイヤホンがくっつきます。
簡単に外れることがないので持ち運びに便利ですよ。
右のイヤーフックには音量ボタン・充電用USB-Cポート・LEDランプが搭載されています。
LEDランプは点灯と点滅で以下のとおりステータスを確認可能です。
赤点灯 | 充電中 |
青点灯 | 充電完了 |
赤・青交互に点滅 | ペアリングモード |
青色点滅 | 着信 |
2分ごとに赤点滅 | バッテリー残量低下 |
左のイヤーフックにはマルチファンクションボタンが搭載されており、押すことで音楽や通話をコントロールします。
タッチ式ではなく物理的に押す操作の方が個人的に好みなので嬉しいポイントです。
重さは実測で30g。
非常に軽量なので長時間装着していても耳に負担を感じることはありませんでした。
男性の手の平くらいのサイズ感なので持ち運びにも重宝するでしょう。
AfterShokz OpenMoveの付属品は以下のとおりです。
- マニュアル(日本語あり)
- 保証書
- 充電ケーブル
- 耳栓
- ポーチ
AfterShokzの製品は安心の2年保証。
購入から2年以内の保証期間であれば無償で修理調整に対応してくれます。
公式サイト>>故障・種類フォーム
充電ケーブルはUSB-A / USB-Cのもの。
充電器は付属していないのでご注意ください。
耳栓が付属しているのは骨伝導イヤホンならでは。
耳がオープンの状態で装着するので、使用時に周囲の騒音が気になる場合がでてきます。
そういう場合に耳栓を使うと周囲の音が遮られるのはもちろん、OpenMove本来の音質を楽しむことが可能です。
ポーチが付いているのも地味に嬉しいですね。
OpenMoveをワークアウト専用機にする場合にポーチが必須。
ジム用のバッグ等に放り込んでおくと壊れてしまったり、他のデバイスを傷つけてしまう可能性があります。
AfterShokz OpenMoveを実機レビュー
AfterShokz OpenMoveを実際に使ってみた様子をレビューしていきます。
骨伝導イヤホンの聞こえ方
そもそも骨伝導イヤホンはどのように音が聞こえるのか、まずはこの点の紹介を。
一般的なイヤホンは空気を振動させて鼓膜を通して内耳に音を伝えます。
これに対して骨伝導イヤホンは頬骨を通して振動を送り、鼓膜を迂回して直接内耳に音を伝える仕組みです。
骨伝導イヤホンを初めて使ったのですが、とっても不思議な感覚。
もちろんOpenMove自体から鳴っている音も耳に入ってくるのですが、頬骨を通った振動から伝わる音も感じる気がします。
耳の穴に指を入れてみると非常に分かりやすい。
OpenMoveから漏れる音は聞こえないのに、耳の奥、首の後ろあたりで音が広がっていることを実感できます。
耳に直接入ってくる外部音を聞きながらでも、頭の中では音楽が鳴っている。
これまで経験したことのない新しい音楽体験で、音楽が好きな人ほどこの感覚は嬉しいと思います。
いつもと変わらない生活をしながら大好きな音楽が自分だけに流れているって考えるとワクワクしませんか?
音量を大きくすればするほど振動は大きくなります。
最大音量にすると、こめかみをトントン叩かれているようでくすぐったくなるほど。
デスクの上にOpenMoveを置いていたら、曲のリズムに合わせて勝手に動いてしまいましたよ(笑)
ボーカル中心の音質
イヤホンを使う上で重要なのは音質なのですが、OpenMoveについては使用用途も特殊なこともあり、それほど良くはありません。
全体的な音質はクリアでボーカル・人の声がとてもよく聞こえます。
高音域・低音域についても聞こえないことはないのですが、中音域に比べると弱めです。
解像感もそれほど高くないものの、定位感は優れているので、どこでどんな音が鳴っているかを立体的に感じられて驚いてしまいました。
OpenMoveに適した楽曲のジャンルは、ボーカルを中心としたポップス。
また、ラジオやポッドキャストを聞くのにも向いていると思います。
3種類のEQ(イコライザー)モード
OpenMoveには3種類のイコライザーモードが用意されています。
- 標準モード
- ボーカルモード
- イヤプラグモード
使い方は音楽再生時に2つの音量ボタンを同時に長押しです。
ボーカルモードは人の声を際立たせるモードなのですが、よく聴けば低音域が少し弱くなるものの、標準モードとそれほど大きな違いを感じることはできません。
イヤプラグモードは耳栓と併用して使う時のモード。
3種類のEQの中で最も低音が効かなくなり、クリアな音質になります。
耳栓を装着しても、こもった感じにならないので聴きやすいですね。
音漏れしちゃうのは当然です
OpenMoveは骨伝導イヤホンとは言え、仕組み的にはイヤホンから普通に音が鳴っている状態です。
このため音量を大きくすれば当然音漏れが発生します。
しかもカナル型イヤホンのように耳の穴に入れるわけではないので、音はオープンに広がり、一般的なイヤホンよりも音漏れが目立つ印象です。
接続するデバイスによって違いがあるので参考にしかなりませんが、僕が使っているZenfone 8なら、このくらいの音量にすると静かな部屋で音漏れが始まりました。
OpneMoveを使う時には周りの人に迷惑をかけないように音量に注意しましょう。
ちなみに、この程度の音量でも十分に音楽を楽しめます。
外部音がしっかり聞こえつつ、音楽もしっかり聞こえているような丁度いいバランスです。
リモコン操作可能
OpenMoveに搭載されている物理ボタンで音楽再生や通話のリモコン操作が可能です。
それぞれできる操作は以下のとおりです。
MFボタン | |
1回押し | 再生/一時停止 通話応答/終了 |
2回押し | 曲送り リダイアル |
3回押し | 曲戻し |
長押し | 音声アシスタント起動 着信拒否 |
音量ボタン | |
「+」「-」どちらか1回押し | 音量調整 |
「+」「-」どちらか1回押し | バッテリー残量確認 (音楽停止時) |
「+」長押し | 電源オン/オフ |
「+」「-」同時に2秒長押し | 通話ミュート |
「+」「-」同時に3秒長押し | EQ切り替え |
ワイヤレスイヤホンはタッチ操作するものが多いですが、個人的には物理ボタンの方が使いやすいので好み。
ちょっと触れただけで反応してしまうと煩わしいことがありますからね。
装着感は良好!痛くならない
OpenMoveは一般的なイヤホンよりも大きなサイズ感ですが、装着感は良好。
赤丸部分を耳に引っ掛けるように装着し、イヤホン部分が頬骨の端に当たるような感じです。
僕は普段メガネをしていて、おまけにマスクを装着する機会が多い状況。
それでもフィット感にそれほど大きな違いはありませんでした。
顔に当たる部分が硬めのシリコンのような素材なので長時間装着していると痛いかと思っていたのですが、そんなこともありませんでした。
バンド部分は伸縮性があり大きく広がります。
このため性別・年代を問わずに装着することができるでしょう。
ペアリングは探してタップするだけ
Bluetoothデバイスを使う上で重要なのはペアリング(接続)が簡単かどうか。
OpenMoveはとっても簡単です。
OpenMoveの電源ボタン(音量+)を長押しするとペアリングモードに。
あとは接続したいデバイス(スマホやPC)のBluetooth設定で「OpenMove by AfterShokz」を探してタップするだけです。
これでペアリングは完了しました。
とっても簡単ですね!
接続の安定性も悪くありません。
実際にウォーキング中にOpenMoveを使っていますが、音楽が途切れてしまうことは殆どありませんでしたよ。
Bluetoothマルチポイントに対応
OpenMoveは、複数のデバイスに接続できる「マルチペアリング」に対応しているのはもちろん、同時に2台の端末と接続する「マルチポイント」にも対応しています。
例えばパソコンとスマホに接続をしていれば、パソコンでの作業中に電話がかかってきたとしても、OpenMoveの接続先をすぐにスマホに切り替えることができます。
パソコンから切断して、スマホに再接続するという手間がかからずとっても便利。
PCで音楽再生
↓
OpenMoveからPCの音楽が聞こえる
↓
PCの音楽停止
↓
スマホで音楽再生
↓
OpenMoveからスマホの音楽が聞こえる
マルチポイント機能があるとないのとでは、使い勝手が全く異なります。
これはOpenMoveを購入する大きなメリットの1つと言えるでしょう。
マルチポイント機能を使うにはペアリングモード状態のOpenMoveのマルチファンクションボタンと電源ボタンを同時に長押し。
LEDが青色の点灯状態になればマルチポイントが使える状態です。
再度ペアリングモードにして、もう1台のデバイスに接続すれば利用可能となります。
バッテリー性能はスペック以上に優秀!
OpenMoveの連続再生時間は、公開スペックによると6時間以上となっています。
試しに音量を50%に設定して音楽再生し続けた結果、なんと12時間以上経過してもバッテリー残量が40%も残っている状態に(笑)
ケースを併用しながら充電するタイプではないですが、1回のフル充電で12時間以上もてば十分と言えます。
なお、充電時に必要な電力は0.3W程度で急速充電には対応していません。
フル充電にかかる時間は2時間程度なので一般的なワイヤレスイヤホンと変わらないようです。
通話品質は良好で声が聞き取りやすい
OpenMoveのマイク性能は相当良い感じです。
実際にLINE通話を試してみたのですが、こちらの声がクリアに聞こえていたようです。
わざとテレビの側で通話してみたのですが特に聞こえにくそうな様子はないので、通話時のノイズキャンセリングもしっかり機能しています。
また、音楽再生時にボーカルの声がよく聞こえていたので予想はしていましたが、通話相手の声もめちゃくちゃハッキリ聞こえます。
耳が開放されているのであまりにも外部音がうるさい場所では聞き取りにくくなると思いますが、室内での音声通話なら抜群に効果を発揮してくれるでしょう。
防水性能は多少の雨と汗止まり
OpenMoveが対応している防塵・防水性能はIP55等級。
ワークアウト中の汗や、小雨がかかる程度であれば壊れることなく利用できます。
防水性能がないよりはマシなものの、そこまで強力ではありません。
試しに霧吹きで水をかけてみましたが、これくらいで壊れてしまうことはないようです。
IPX5等級の防水では水没に対応できないので、プールで使うのはもちろんお風呂等での利用は避けましょう。
誤って落としてしまうと壊れる可能性が高いです。
AfterShokz OpenMoveを買うべき人は?
骨伝導イヤホンは一般的なイヤホンとは異なり耳がオープンな状態です。
このため、じっくり音楽を楽しむ用途には向いていません。
AfterShokz OpenMoveはどんなシチュエーションで活躍してくれるのか紹介していきます。
日常生活に音楽を絶やしたくない人
OpenMoveは骨伝導イヤホンなので耳を塞ぐことがないので、外部音が聞こえにくくなることがありません。
つまり、普段と何も変わらない生活をしながら音楽を聞き続けることができます。
音楽が大好きな人は、日常生活のどんな場面でも音を聞きたいと思っているはず。
もちろん一般的なイヤホンやスピーカーで音楽を流し続けることも可能です。
ただ、イヤホンだと周囲の音を遮ってしまいますし、スピーカーでの大音量は他の人の邪魔になってしまうことも・・・。
そんな時にOpenMoveを使えば、普段の生活に自分専用のBGMを加えることができます。
外でワークアウトをしている人
ランニングやウォーキング中に好きな音楽を聞いてる人も多いと思います。
確かにテンションが上ってワークアウトが捗りますよね。
ただイヤホンやヘッドホンで音楽を聞いていると、周囲の音が聞こえなくて危険な場合があります。
後方から車や自転車が近付いてきているのに気付けませんからね?
そんな時にOpenMoveが大活躍。
耳がオープンの状態なので周囲の音をしっかり把握できて安心です。
実際に僕はウォーキング中にOpenMoveを使い始めましたが、めちゃくちゃ快適。
周囲の音が聞こえることに加えて軽量なので何も付けていないような感覚になります。
もちろん音量が小さすぎると周囲の音に負けてしまって音楽が聞こえにくいこともありますが、安全面を考えればワークアウト中はOpneMoveを使ったほうが良いでしょう。
テレワーク・オンライン授業をしている人
OpenMoveは人の声が聞き取りやすい音質でマイク性能も優秀。
このためテレワークや在宅学習でのWeb会議・電話会議に向いています。
また作業や勉強をしながら音楽を聞いている人もいると思います。
イヤホンやヘッドホンでは電話やインターホンに気付けない場合もありますが、OpenMoveなら、周囲の音もしっかり聞こえるのでその心配がありません。
OpenMoveはBluetoothマルチポイントに対応しているので、パソコンとスマホの切り替えがスムーズ。
スマホで音楽を聞いている時にパソコンで音声通話の着信があっても、すぐに応答できちゃいます。
小さなお子さんがいる人
お子さんのお昼寝の最中や、寝かしつけ後に音楽を聴きたい時にもOpenMoveが活躍します。
スピーカー等で大きな音で音楽を聴いてしまうと、お子さんが起きてしまうかもしれません。
また、イヤホンやヘッドホンで音楽を聴いていると、お子さんの泣き声にすぐに気付けないこともあります。
そんな時にOpenMoveを使えば、お子さんを起こさずに音楽を楽しむことができ、もしお子さんが泣いてしまった場合にも、すぐに気付いてあげられるので重宝するでしょう。
AfterShokz OpenMoveのスペック
再生時間 | 連続再生:6時間 待機:10日間 |
充電時間 | 2時間 |
バッテリー容量 | 135mAh |
充電端子 | USB Type-C |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
重さ | ケース:約29g |
Bluetooth | Ver5.0 |
通信距離 | 最大10m |
防塵・防水規格 | IP55 |
チップ(SoC) | Qualcomme QCC3024 |
Bluetoothプロファイル | A2DP, AVRCP, HFP, HSP |
対応コーデック | SBC |
ドライバーサイズ | 不明 |
周波数応答 | 20Hz~20KHz |
インピーダンス | 不明 |
AfterShokz OpenMoveのレビューまとめ
AfterShokz OpenMoveをレビューしました。
骨伝導イヤホンを初めて使ったのですが、使い心地は最高です。
周りの音を遮ることなく音楽が聞けるのは新しい体験で、まさに日常生活に音楽が溶け込んでる状態そのもの。
音楽が大好きな人ほど試してもらいたい1台です。
様々な用途があると思いますが、個人的におすすめの使い道は以下の3つ。
- 屋外ワークアウト
- テレワーク・オンライン授業
- 小さなお子さんがいるご家庭用
定価9,999円とちょっぴり高めの設定ですが、通話品質も良好で総合的に十分満足できる性能です。
初めての骨伝導イヤホンにもおすすめなので是非お試しください。