評価:(4.5点/5点満点)
お世話になります。毎月スマホを買っちゃうガジェットブロガーのちびめがね(@chibimeganecom)です。
ROG Phone 9をお借りしました。
ASUS(エイスース)製のゲーミングスマホROG Phone(アールオージーフォン)シリーズの2025年最新モデルです。
昨年発売されたROG Phone 8は、これまでのモデルとは路線が異なり、ゲーミングスマホでありながら普段使いもできる機能が搭載されました。
- おサイフケータイ
- IP68防塵防水
- ワイヤレス充電
評価は賛否分かれていたものの、個人的には万能感があって気に入ってます。
果たして、最新モデルの実力はどれほどのものなのか?旧モデルの弱点はカバーできているのか?
本記事でROG Phone 9を実際に使ってみた様子をレビューしていきます。
メリット | デメリット |
・最強の動作性能 ・最高のゲーム性能 ・豊富なゲーム機能 ・バッテリー持ち向上 ・メインカメラが綺麗 ・ワイヤレス充電 ・おサイフケータイ ・IP68防塵防水 ・イヤホンジャック ・eSIM対応 | ・実質値上がり ・進化が少ない ・RAMが12GBになった ・パンチホールインカメラ ・望遠カメラ非搭載 ・SDカード非対応 |
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ROG Phone 9のデザイン・サイズ・付属品をレビュー
まずはROG Phone 9の外観と付属品をチェックです。
ゲーミングスマホは見た目も大事なので注目!
デザイン
ROG Phone 9のカラーバリエーションは以下の2色。
- ファントムブラック
- ストームホワイト
この内、今回お借りしたのはファントムブラックです。
パッと見は旧モデルROG Phone 8とほぼ変わらないデザイン。こっちがROG Phone 8です。ね?マイナーチェンジって感じでしょ。
ただ、実際には大きく異なるポイントがあります。それがAniMe Visionの搭載です。
背面に搭載された85個のミニLEDでアニメーションを表示することができるようになりました。
表示できるアニメーションの種類は10種類以上。
例えば充電中はこんなアニメーションに。かわいいでしょ?
さらに自分で簡単なアニメーションをデザインすることも可能です。
旧モデルはLEDライトが光るだけでしたが、ROG Phone 9はさらにリッチに。
これがあるから性能が上がるってわけではありませんが、ゲーミングデバイスらしさを感じる機能ですよね。
背面パネルは極小のラメが無数に散りばめられた高級感のあるマットなガラス製。
サラサラで指紋が目立たないのがポイント。
個人的にこの素材は以前から大好きなんですけど、採用されるスマホが増えてマジで嬉しい限り。先日購入したXiaomi 14T Proも同じような質感でした。
高級感とともにどこかセクシーな印象を受ける大人っぽいデザインだと思います。
またROG Phone 9は下部にドットがプリントされている控えめなツートンデザイン。
ちなみにこのドットはミニLEDではありませんでした。
背面上部にはカメラユニットを搭載。メイン・超広角・マクロの3眼構成です。
以前のモデルは殆ど出っ張りがなかったのですが、ROG Phone 9は実測で約3.5mmとがっつり飛び出てますね・・・。
置いたまま使用するとガタガタするのはもちろんですが、横持ちでゲームをする時にカメラに触れてしまうのが気になります。
このカメラバンプだけはなんとかして欲しいなーと思いました。
背面パネルはフレームに向かって緩やかに湾曲したデザイン。若干滑りやすいので注意が必要です。
フレームはマットな金属製です。ここも指紋が目立たないデザイン。
ディスプレイを上にして右側面に音量ボタン・電源ボタン・マイクを搭載。
ここにマイクがあることで横持ちでゲームをする時でも声を拾いやすくボイチャや配信が捗ります。
超音波式ショルダートリガー「AirTriggers」も右側面にありますよ。
左側面にはUSB Type-Cポート。
側面にもUSBポートがあることで操作の邪魔をすることなく充電できちゃいます。
下部にはUSB Type-Cポート・カードスロット・スピーカー・イヤホンジャックを搭載。
引き続き下部スピーカーはこの位置です。
カードスロットはSIMカードを表裏に1枚ずつ装着できるタイプ。
残念ながらmicroSDカードには非対応です。
本体上部にはマイクのみ。マイクは全部で3箇所に搭載されています。
カメラ出っ張りすぎでしょぉ・・・。
サイズ
ROG Phone 9のサイズは163.8×77×8.9mm。
旧モデルROG Phone 8と殆ど変わらない大きさです。
6.78インチのディスプレイを搭載しているので普通にビッグサイズ。とは言えハイエンドモデルだとこのサイズ感は珍しいものではありませんね。
重さは実測で225gとヘビー級。
普段使い用としての方向性だとしたら、もう少し軽くても良いかもしれません。
付属品
ROG Phone 9の付属品は以下のとおりです。
- 保護ケース
- 充電器
- USBケーブル
- SIMピン
- マニュアル類
保護ケースはハードタイプで、黒ベースの半透明デザイン。
操作の邪魔にならないように部分的にくり抜かれているので防御力は低め。特に右側面はガバっと剥き出しになっております。もはやケースと言うよりもフレーム。
カメラユニットも保護してくれるので、装着しておいたほうが良いでしょう。
しかも後述するように、下部スピーカーが側面に搭載されている弱点を克服する「オーディオリダクション」機構もありますからね。
充電器は65W急速充電に対応したタイプ。
充電ケーブルはUSB Type-C / Type-C。柔らかいナイロンタイプなので扱いやすいです。
ディスプレイ保護フィルムは付いていませんが、必要なものが全て揃っているので箱から出せばすぐに使い始めることができちゃうのが嬉しいですね。
ROG Phone 9のディスプレイをレビュー
続いてROG Phone 9のディスプレイを見ていきましょう。
ディスプレイの美しさも重要なポイント。
ゲームするにも動画視聴もディスプレイが綺麗な方が良いに決まってますからね。
6.78インチ有機ELディスプレイ
ROG Phone 9はディスプレイに6.78インチの有機ELパネルを採用。
有機ELパネル特有の黒色表現でメリハリの効いた表示がめちゃくちゃ綺麗です。
ハイエンドモデルのスマホにはWQHD+のディスプレイを搭載したモデルなんかもありますが、ROG Phone 9のスペックがあれば十分。
ゲームするにも動画見るにも十分満足できました。
視野角も広く、少し青っぽく色が変わるもののきつい角度から見ても問題なし。寝っ転がってゲームする場合にも使えそうです。
ディスプレイのガラスには最新の「Corning Gorilla Victus 2」を採用しているので耐久性にも優れています。
湾曲のないフラットタイプも、保護フィルムを貼り付けるのが下手な僕には嬉しいポイントでした。
インカメラはパンチホールタイプ
ROG Phone 9のインカメラは旧モデルから引き続きパンチホールタイプでした。
普段使いは特に困ることはありませんが、ゲームプレイ時にインカメラ部分の「欠け」が気になるかもしれません。
原神で遊ぶくらいであればそこまで影響がないかもしれませんが、例えばFPSなんかで遊んでいると、インカメラ部分の索敵ができなくなる弊害がありそうですね。
ライバルゲーミングスマホのREDMAGIC 10 Proはインカメラが画面下にあり、完全な全画面表示。
余計にパンチホールインカメラであることが残念に感じるかもしれませんね。
ただ個人的にはそこまで気になることはありませんでした。
ベゼル(縁)も4辺とも狭く均一で、広い表示エリアを確保しています。
ゲームのトップランカーやガチ勢には向かないかもしれませんが、そうじゃなければ問題ないでしょう。動画視聴も捗ります。
ちなみに表示エリアは設定から変更可能。
インカメラの「欠け」が気になる場合には変更してみましょう。
十分な明るさで屋外でも見やすい
ROG Phone 9のディスプレイピーク輝度は2,500nitsとかなり明るいです。
このため屋外の直射日光下でもしっかり視認できます。
明るさが足りないと屋外の写真撮影が難しくなったりするんですが、ROG Phone 9ならそんなこともありません。
操作は両手持ちが基本
ROG Phone 9は6.78インチの大画面ディスプレイ&重いので基本的に両手操作になります。片手で操作しようとしても端まで指が届きませんからね・・・。
慣れれば文字入力くらいなら片手でもいけるとは思いますが、素直に両手操作しておきましょう。寝ながら使っていて顔に降ってきたら怪我します。
それに15万円超えの高級スマホです。落として傷つくだけでも超後悔すると思います。
画面リフレッシュレートは最大185Hzをサポート
ROG Phone 9の画面リフレッシュレートは旧モデルからさらに進化して最大185Hzをサポート。
ただ、185Hzはゲームプレイ中だけで、通常利用時は165Hzが最大値になります。
一般的な高駆動ディスプレイは120Hzのものが多いので、それを上回る滑らかさ。
気持ちいいくらいヌルヌル動いちゃいます。
リフレッシュレートが高くなればなるほどバッテリー消耗が激しくなるので注意が必要。
通常利用には、シーンに合わせてリフレッシュレートを調整してくれる「自動」設定がいいでしょう。
また、185Hzに対応しているゲームはあるものの種類が多くはありません。
試しにBrawl Stars(ブロスタ)を試してみたんですが、185Hzまでは出ないものの170Hzくらいで遊べるので凄いですよね・・・。
そして、ROG Phone 9は旧モデルから引き続きバックプレーンに「LTPO」を採用。
自動設定なら1Hzから120Hzの範囲で動的に変化する可変リフレッシュレートに対応しております。
ディスプレイに動きを感知しすると120Hzに、触らなければ1Hzに変化していました。
AOD(常時表示ディスプレイ)表示中のリフレッシュレートも1Hzに対応しています。
高駆動ディスプレイはバッテリーを消耗しがちですが、ROG Phone 9ならバッテリー持ちとディスプレイのヌルヌル感を両立できるので優秀です。
ちなみにタッチサンプリングレートは最大720Hzと高感度なので、音ゲー好きな人には嬉しいポイントになります。
アプリで計測してみたところ、通常時のタッチサンプリングレートが350Hzほどで、ゲーム時は800Hzになっていました。
手動計測なのでどこまで正確なのかは分かりませんが、高感度であることは間違いないでしょう。
ディスプレイ常時表示に対応
ROG Phone 9は有機ELディスプレイの省電力性を活かしたAOD(常時表示ディスプレイ)に対応しており、ロック画面で時計等を表示し続けることが可能です。
ミドルレンジのスマホだと、搭載されていても10秒間だけ表示のように機能が制限されていることが多いですが、終日でも表示可能。表示内容をカスタマイズすることもできます。
寝てる間にディスプレイに何か表示されてても全く意味がないので、時間指定はしておきましょう。
もちろんバッテリー消耗を優先するならAODは使わない方が良いです。
なお、旧モデルから引き続き「スクリーンライト」機能も使えます。
AODを使うよりもバッテリー消耗は抑えられるし、必要な状況だけサクッと確認できるので、地味に便利なんですよ。
Widevine L1で動画視聴が快適に!
スマホのデジタル著作権管理方式WidevineのセキュリティレベルはL1。
ROG Phone 9はストリーミングサービスで高画質視聴が可能となります。
Netflixの最大再生解像度はFull HD。残念ならがHDR機能は現時点では非対応でした。
ホワイトリスト方式を採用しているAmazonプライム・ビデオでもHD 1080pで視聴可能。YouTubeでは「2160p60 HDR」まで設定できることを確認しました。
LTPOの可変リフレッシュレートを採用し、ディスプレイ品質も優秀なROG Phone 9。
ただやっぱりパンチホールインカメラだけは評価が分かれるポイントだと思います。
個人的には気になりませんが、全画面表示に拘りたい人は、REDMAGIC 10 Proを使った方が良いでしょう。

ROG Phone 9の基本性能・動作性能をレビュー
続いてはROG Phone 9の動作性能(普段使いの性能)をチェックしていきます。
スマホの基本性能を司るのはご存知SoC(CPU/GPU)。
ROG Phone 9には「Snapdragon 8 Elite」が搭載されております。
公式サイト>>Snapdragon 8 Elite
2024年10月に発表されたQualcomm製のチップセットで、3nmプロセスを採用したフラッグシップモデルです。
Snapdragon 8 Eliteは、TSMCの最先端3nmプロセスで製造された、高性能と省電力を両立したフラッグシップチップセットです。
Qualcomm独自開発の第2世代Oryon CPUを搭載。2つの4.32GHzのプライムコアと6つの3.53GHzのパフォーマンスコアで構成されています。この新しいCPU設計により、前世代と比較して45%のパフォーマンス向上と44%の電力効率改善を実現しています。
グラフィックス性能も大幅に向上しており、新しいAdreno GPUは40%の性能向上と40%の電力効率改善を達成。さらに、Unreal Engine 5.3やNaniteのサポートにより、ゲーミング体験が飛躍的に向上しました。
AI処理能力も強化され、新しいHexagon NPUは45%高速化され、電力効率も45%改善。オンデバイスでの生成AIタスクやマルチモーダルAI処理が可能になり、より高度なAI機能をスマートフォン上で実行できるようになりました。
AnTuTuベンチマークスコア
スマホの基本性能を数値化できるのがベンチマークテスト。スコアが高ければ高いほど動作性能が優秀ということになります。
最も有名なAnTuTuというベンチマークアプリを使ってみたところ、Ver.10の総合スコアは2,890,078点、GPUスコアは1,223,289点でした。
すごすぎ・・・。当然ながらこれまでレビューしてきたスマホの中で最も高いスコアになっております。
- ROG Phone 9:2,890,078
- REDMAGIC 10 Pro:2,754,983
- nubia Z70 Ultra:2,580,089
- OPPO Find X8:2,383,256
- REDMAGIC 9 Pro:2,191,182
なおAnTuTuアプリを起動すると自動的に「Xモード(パフォーマンスモード)」になってしまうのは、ちょっぴりモヤっとしますが、何にせよ2025年3月現在の最高性能です。
同じSnapdragon 8 Eliteを搭載しているREDMAGIC 10 Proやnubia Z70 Ultraよりもスコアが高いのが嬉しいポイント。SoCの性能をフルに活かしていると言えます。
AnTuTuスコアで70万点もあれば普段使いで困ることはないので、何をやっても超快適なのは言わずもがな。
ストレスを感じるシチュエーションは皆無。
もはやハイエンドモデルにもなれば過剰性能と言っても良いくらいだと思います。
なので普段使いであればシステムモードは「ダイナミック」で十分です。
以下のページで、これまでにレビューしたスマホのAnTuTuスコアをランキング形式で掲載していますのでチェックしてください。
AnTuTu以外のベンチマークスコアは以下のとおりです。こっちも強烈・・・。
Xiaomi 14T Proと動作性能を比較
スコアだけ見てもイマイチよく分からないと思うので、僕が持ってる中では最高性能のXiaomi 14T Proと動作性能をプチ比較してみました。
ちなみにXiaomi 14T ProのAnTuTUスコアは約200万点。立派なハイエンドモデルですね。

みんな大好きYahoo!と楽天市場での表示速度をチェックです。
どっちも爆速で大きな差はありませんね。よーく見るとROG Phone 9の方が僅かに早いかな?もしかしたら僕のタッチのがズレていたのかもしれない笑
普段使いで困ることなんて何一つないですよ。
AnTuTuストレージ速度テストのスコア
AnTuTuアプリでストレージ速度もテストしてみました。
読み込み・書き込みどちらも爆速で何の問題もありませんね。サックサク!
なお旧モデルROG Phone 8はRAMを16GB搭載していましたが本モデルは12GBになってしまいました・・・。やっぱり同じ価格を維持するのって厳しいのかもしれません。
ストレージは旧モデルから引き続き256GB。システム領域に20GBほど使うので実際に保存可能なのは230GBくらいになりそうです。
重いゲームを複数同時にやっていたら少し物足りないかも。1つのゲームで簡単に数十GB食われる状態ですもんね。注意しましょう。
ハイエンドモデルは何でもできちゃうが故に容量不足になっちゃう可能性がありますね。
残念ながらmicroSDカードは搭載できませんが、Google DriveやGoogle Photo等のオンラインストレージを活用することで容量不足を解消できます。
またUSB-C用のカードリーダーもあるので、Micro SDカード等を利用したい場合には別途購入しても良いでしょう。
特別な設定をすることなく、装着するだけですぐに認識してくれましたよ。
ROG Phone 9のゲーム性能をレビュー
ここからはROG Phone 9最大のメリットでもある、ゲーム性能・ゲーム機能をチェックしていきましょう。
人気ゲームが快適にプレイできるのか?発熱はどうなのか?実機で検証です。
原神の平均FPSは61.0
まずはゲーム性能のベンチマークのような存在になってる「原神」をプレイした時の平均FPS(フレームレート)を検証。
ちなみにROG Phone 9のデフォルトグラフィック設定は「高/30FPS」でした。
グラフィック設定「最高/FPS60」で15分ほどプレイした時の結果がこちら。
スメールの砂漠地域を動き回り、エンカウントした敵とはしっかり戦っています。
平均FPSは61。60FPS張り付き状態でしっかりプレイできました。元素スキルを使おうが、元素爆発を使おうが、どの瞬間も超快適。
ROG Phone 9なら、全ての旅人がいつでもどこでも最高の原神ライフを楽しむことができちゃいますね。
以下の記事で、これまでレビューしてきたスマホの原神平均FPSをランキング形式で紹介しているので御覧ください。

崩壊:スターレイルの平均FPSは60.4
続いては崩壊:スターレイル。原神はCPU性能が求められるのに対し、崩スタはGPU性能が求められると言われているようです。
ピノコニー・黄金の刻を「最高/FPS60」で15分ほどプレイ(黄泉の四相断我で移動)してみました。
平均FPSは脅威の60.4。スタレですらほぼ60FPS張り付き状態で遊べます。
ライバルゲーミングスマホREDMAGIC 10 Proよりも安定してプレイできた印象です。
ハイエンドモデルであっても、原神は快適なのにスタレはイマイチなことがありますが、ROG Phone 9はそんな心配は皆無。
ゲームガチ勢でも納得のゲーム性能だと思います。
ゲームプレイ時の発熱
重いゲームを遊ぶ時に気になるのがスマホの発熱。高い負荷がかかるのでどうしてもスマホが熱くなってしまいます。
ROG Phone 9の場合はどれくらい発熱するのか、実際に原神を「60FPS/最高」設定でプレイしている時の表面温度を計測してみたところ、約40℃とかなり抑えられている印象です。
多少フレームがホカホカしているものの、持てなくなるほどではありません。
ただ、崩壊:スターレイルを最高設定でプレイしている時は、かなり発熱を感じました。
表面温度は実測で48℃ほど。
15分ほどの検証では性能の低下を確認することはできませんでしたが、長時間連続でプレイする場合には少し注意したほうが良いでしょう。
また、AnTuTuベンチマークを4回連続で回した時のスコアの推移は以下のとおり。
急激にスコアが低下するわけではないものの、回を重ねるごとに少しずつ落ちていました。
やはり、長時間連続で高い負荷をかけたり、夏の炎天下で長時間動画撮影をしたりするのは避けたほうが良いと思います。
もし、ROG Phone 9を使用していて発熱が気になる場合や、長時間安定してゲームをプレイしたい場合には、別売りのオプション品「AeroActive Cooler X Pro」を購入しても良いでしょう。
背面パネルに取り付けるクーラーユニットで、ゲームプレイ時に物理ボタンとして使用できたり、キックスタンドになったりと多機能です。
4種類のシステムモード
ROG Phone 9には4種類のシステムモードが用意されています。
- Xモード
- ダイナミック
- 超省電力
- アドバンスド
- Xモード
- ダイナミック
- 超省電力
システムモードはバッテリー設定やゲームコンソールアプリArmoury Crateから変更可能で、Armoury Crateならゲームごとにモードを設定することもできます。
ゲームプレイ中でも「Game Genie ダッシュボード」から切替が可能です。
とりあえずゲーム中は「Xモード」がおすすめですが、長時間プレイしていると発熱が気になってくると思うので、「ダイナミック」にしても良いでしょう。
「アドバンスド」は玄人向けのモードで、詳細に自分好みの設定が可能。
ここまで使いこなせる人がいるのか分かりませんが、僕の知識では扱いきれません涙
でもこういう設定ができるのは、さすがゲーミングスマホですよね。
超音波式タッチトリガー搭載
ROG Phone 9の側面には従来のシリーズ同様にショルダートリガー「AirTriggers」を搭載。「ROG」と記載されている部分がセンサーになっています。
ショルダートリガーが搭載されているだけで確実にゲームが上手くなります。3本指・4本指でディスプレイを操作しなくても、同等の動作ができるようになりますからね。
ライバル機種のREDMAGIC 10 Proはタッチ式ですが、ROG Phone 9は感圧式。
押し込む力で反応するタイプになります。
さらにAirTriggersには、押す操作以外にもマッピングが可能。
好みに合わせて9種類から選択できます。
- 押す
- 横スライド
- 縦スライド
- スワイプ
- デュアルパーティション
- デュアルコントロール
- デュアルアクション
- 押す離す
- ジャイロ
さらに1つのトリガーに複数の動作を割り当てることも可能。
- 押す
- 左スワイプ
- 右スワイプ
これを使いこなせればFPSが超捗ると思います。タップを2つ割り当てるだけでもめちゃくちゃ便利ですよ。
押し込む力加減の感度を設定することもできるので、好みに合わせて調整しましょう。
モーションコントロール
AirTriggersだけでもゲームプレイの幅が広がるのですが、ROG Phone 9にはモーションコントロール機能も搭載されています。
AirTriggersのジャイロ機能とは異なり、スマホ自体の動きをトリガーにする機能です。
どのくらいの強さでクイッと動かすと反応するのかには慣れが必要ですが、ショルダートリガーと併せて使えばさらに指の数を増やせます。
設定から感度調節もできるので慣れるまでは感度を高めに設定しても良いかもしれません。
AirTriggersがシャッターボタンになる!
ゲームに便利なAirTriggersは普段使いのショートカットとしても使えます。
「短く握る」「長く握る」「両方を長押し」3つの動きに好みの機能を割り当てることが可能です。
そして、ついにAirTriggersがカメラのシャッターボタンとしても使えるようになりました!カメラアプリの設定で有効/無効の切り替えができますよ。
押し込む必要はありませんが、軽く押してあげるとシャッターが切れます。慣れるまでは力加減が難しいかも。
これがあったら便利なのになーって以前から思ってたんですが、ついに対応してくれてめちゃくちゃ嬉しかったです。
AIで操作を自動化できるXsense
ROG Phone 9には対応のゲームをサポートしてくれる「Xsense」が搭載されています。
対応ゲームでAIがシーンに応じたアクションを自動実行してくれる機能です。
例えば原神だったら以下の通り。
自動ピックアップ | 宝箱・アイテム・植物等の自動収集 |
自動実行 | 自動で直進し続ける |
会話スキップ | 会話シーンの早送りorスキップ |
クイックエスケープ | 凍結・水の泡からの自動抜け出し |
実際に使ってみたのですが、自動ピックアップがめちゃくちゃ便利。
万葉やナヒーダの元素スキルを使う必要はありません。歩いてるだけで敵がドロップしたアイテムを勝手に拾ってくれますからね。
原神以外にもLOL Wild RiftでもXsenseが使えました。
スキルの自動アップデートが目玉機能なんですが、僕はまだLOLの勉強中なので、いかにヤバい機能なのかなんとも言えず・・・。申し訳ございません。
Xsenseは全てお任せできちゃうほどではありませんが、手動と併用すると捗ります。
AIゲーム機能らしさがあって便利です。
ゲームが捗る便利機能が多数搭載
「AirTriggers」「モーションコントロール」「Xsense」の他にも様々な便利機能を搭載。
ゲームによって使える・使えないがあるものの、とにかくゲームが捗ります。
基本的なところで言うと照準を常時表示する「クロスヘア」。
一定時間内の操作を記憶してワンタップで実行できるようになる「マクロ」。
例えば、連続攻撃や長押し強攻撃をワンタップにすることができちゃいます。
記録したアクションをショルダートリガーにアサインするとこの通り。
「バックグラウンドモード」も便利。ゲーム中に他のアプリを立ち上げた場合でも、強制的に実行し続けることが可能です。
ゲームデータのダウンロードの時にめちゃくちゃ重宝しました。マジ便利!
ゲームに合わせて最適な「AirTriggers」「マクロ」を設定できる「Instant Master」は、僕のようなライトユーザーに特に便利です。
全ての機能を完璧に使いこなすのは難しいと思いますが、AirTriggersがあるだけでゲーム環境が大きく変わります。
少しずつ自分に合った機能を追加していきながら、ライバルに差をつけちゃいましょう!
モニターに接続して大画面でゲームできる
ROG Phone 9はゲームをモニターやTVなどに表示するミラーリング機能を搭載しています。
DP ALT MODE /DisplayPort Alternative Modeに対応しているのは側面に搭載されているUSB Type-Cポート。下部のUSB-Cポートは非対応なのでご注意を。
Bluetoothコントローラーに対応しているゲームであれば大画面であそべちゃいますし、動画視聴や撮影した写真の表示なんかにも重宝します。
ROG Phone 9のバッテリー持ち・充電速度をレビュー
ROG Phone 9はゲームだけではなく普段使いもできるなので、バッテリー性能も重要なポイントになります。
続いてはバッテリー持ち・充電速度をチェックしていきましょう。
PCMarkバッテリーテストの結果
ROG Phone 9のバッテリー容量は5,800mAh。旧モデルよりも微増で超大容量です。
ただいくら容量が多くても、すぐに充電切れになってしまったら意味がありません。
そこで、バッテリーは長持ちなのかPCMarkというベンチマークアプリでテストしました。
PC Markは数値からバッテリー性能を計算しているわけではなく、実際にスマホを動作させて100%から20%までのバッテリー消耗時間を測定しているので信頼できる結果だと思っています。
画面の明るさは50%固定、リフレッシュレートを自動に設定して、Xモード・ダイナミックモードそれぞれ計測した結果が以下のとおり。
- Xモード
- ダイナミック
旧モデルから引き続きベンチマーク上は超長持ちバッテリー!ダイナミックモードで脅威の23時間超えとなりました。
なんと、これまでレビューしてきスマホの中でトップのスコアです。
- ROG Phone 9:23時間27分
- AQUOS sense4 lite:21時間50分
- Redmi Note 10 JE:21時間43分
- ROG Phone 7:21時間28分
- Zenfone 11 Ultra:21時間26分
エントリーモデルじゃなくて、高性能なハイエンドモデル。しかもゲーミングスマホですからね?強すぎます・・・。
ちなみにシステムモードを「Xモード」にするとスコアが半分以下になるので注意しましょう。やっぱり通常利用には「ダイナミック」が最適です。
なお、以下の記事でこれまでレビューしてきたスマホのPCMark計測結果をランキング形式で掲載しているので参考に御覧ください。
バッテリー消費時間を実機で計測
PCMarkはあくまでベンチマークなので、実際に使った場合のバッテリー消耗時間も紹介しておきます。こっちの方が重要。
Amazon Musicでストリーミング音楽を1時間聴いた結果、バッテリー消耗は1%。
1時間YouTubeで動画(1080P/60fps)を視聴した結果、バッテリー消耗は3%。
原神を画質最高設定で1時間プレイした結果、バッテリー消耗は18%でした。
24時間一切触らずに放置でバッテリー消耗は3%。
それぞれの結果をまとめると次のとおり。
使用時間 | バッテリー消耗 | 使用可能時間(想定) |
音楽再生 1時間 | 1% | 約100時間 |
動画再生 1時間 | 3% | 約33時間 |
原神 1時間 | 18% | 約6時間 |
24時間放置 | 3% | 約33日間 |
旧モデルROG Phone 8と比較すると以下のとおり。
使用時間 | ROG Phone 9 | ROG Phone 8 |
音楽再生 1時間 | 1% | 3% |
動画再生 1時間 | 3% | 5% |
原神 1時間 | 18% | 14% |
24時間放置 | 3% | 12% |
全般的にバッテリー持ちが向上していることが分かります。
特に普段使いでのバッテリー持ちが大きく進化しました。
PCMarkの結果同様に、実機でもバッテリー持ちが優秀であると評価できます。
65W急速充電に対応
大容量バッテリーを搭載している弊害は充電時間が長くなってしまうこと。
急速充電に対応していなければ、いつまで経っても充電が終わらないなんてこともありますが、ROG Phone 9は旧モデルから引き続き65W急速充電に対応しております。
僕が試した限り65Wまでは確認できず、50W〜40Wくらいの充電速度。
実際にバッテリー残量4%の状態から100%になるまでの時間を計測してみたところ、50分でフル充電できちゃいました。
これだけ早ければ、寝落ちしちゃっても朝の準備中にある程度充電できちゃいますよね。
しかも65W急速充電対応の充電器が付いてるのが嬉しいポイントです。
さらに、バッテリーの劣化を抑える機能も搭載。
就寝前の充電は低速充電にしてみたり、フル充電に拘らず利用用途に応じて充電制限をしたりすると良いでしょう。
充電分離(バイパス充電)機能搭載
ROG Phone 9の嬉しい機能の1つが充電分離機能である、バイパス充電。
有効にするとバッテリーを通さずに本体に直接給電可能になります。
最高性能のSoCを搭載しているので、どうしても発熱してしまいます。
それに加えて充電中にバッテリーからの発熱があるとスマホに大きな負担が・・・。
バイパス充電機能があれば、スマホにかかる負担が軽減されるので安心です。
ワイヤレス充電に対応
ROG Phone 9は旧モデルから引き続きワイヤレス充電にも対応。
ゲーミングスマホながらも普段使い向けの利便性を感じますね。
僕の検証では充電速度は最大で20W前後。それなりに早い。
有線の65W急速充電よりは充電時間は長くなってしまうので、睡眠中の充電に使うのが良いでしょう。
なお、ROG Phone 9に限ったことではありませんが、iPhoneのMagSafeのような強力な磁石が搭載されているわけではないので、充電器との接触場所が超シビアなのでご注意を。
ROG Phone 9のカメラ性能をレビュー
スマホを購入するうえで気になるのは動作性能・バッテリー性能、そしてカメラ性能ですよね?
特にROG Phone 9はゲーミングスマホでありながら、普段使いも意識しているのでカメラは重要です。
果たして力ははどれほどのものなのか?実際に撮影した作例を紹介するので参考にしてください。
カメラアプリ
ROG Phone 9のカメラアプリは旧モデルから変わらずシンプル。全く同じですね。
グリッド線の他に中央にマークがありますが、これはスタビライザーガイド。搭載された6軸ジンバルモジュールが手ぶれを抑えてくれますよ。
よく使いそうな超広角と2倍ズームはワンタップで切り替え可能。さらにスライドさせることで他の倍率にもアクセス可能です。
カメラの知識が豊富な人はProモードで露出やホワイトバランスなんかを調整をしながらの撮影も可能です。
なおスクショの音は設定で消せますが、シャッター音を消すことはできないようです。
ただシャッター音は大きくないので、よっぽど静かな場所以外なら気にならないでしょう。
なおROG Phone 9に搭載されている「クイックショット」はかなり重宝します。
スリープ状態で音量ボタンをカチカチッと2回押すと、カメラを起動しながら3枚写真を撮ってくれる機能。
「あ!かわいい猫だ!写真撮りたい!」
今すぐ写真を撮りたいシーンで活躍してくれますね。ポケットからスマホを取り出しながら音量ボタンをダブルタップ。被写体にスマホを向けたら撮影してくれています。
メインカメラの作例
まずはメインカメラでどんな写真が撮影できるのかチェックです。
比較用に僕が持っているスマホの中で最もカメラ性能が高い「Pixel 9 Pro」で撮影した写真をあわせて掲載していきます。

日中の明るいシーンであればどちらも変わらずに綺麗に撮影できていました。
ROG Phone 9の方が明るく写る傾向が強く、全体的に白っぽい仕上がりになることがあるので露出(EV)を調整してあげると良いかもしれません。
1/1.56インチセンサーのおかげで被写体との距離が近いと自然に背景ボケが生まれるのが本格的で良い感じ。
ゲーミングスマホとは言えさすがハイエンドモデル。画像の処理性能が高いと思います。
HDR性能を確かめるために逆光のシーンでも撮影してみました。
良い感じですね。どちらも変わらずしっかり撮れました。
室内で撮影した食事の写真も。
屋外とは異なりこの写真はROG Phone 9の方が温かみのある雰囲気になりました。
なお、ROG Phone 9には新たに「Photo Vibe」と呼ばれるカラーフィルターが搭載されています。
- スタンダード
- リッチ&ウォーム
- スタンダード
- ソフト&ウォーム
雰囲気がガラッと変わって面白いのでぜひ使ってみてください。
メインカメラ(夜景モード)の作例
ROG Phone 9には低照度下でも綺麗に撮影できる夜景モードももちろん搭載。
周囲の明るさに合わせて自動的に夜景モードになる機能もあるので、意識しなくても綺麗に夜間撮影できます。
夜景モードにすると全体的に明るくなる一方で街頭の明るさを抑えてバランスよくなっているのが分かります。通常撮影でも悪くないのは凄いですが・・・。
またにはOIS(光学式手ブレ補正)に加えて6軸ジンバルモジュールも搭載されているので、ブレずに夜間撮影しやすいのも嬉しいポイントです。
明るさだけならPixel 9 Proが優秀ですが、バランスが良いのはROG Phone 9のような気がします。キリッとしてますよね。
多少明るさが足りなく絵もROG Phone 9の方が僕は好みでした。
さらに明暗差の激しいシーンでも。
ROG Phone 9のメインカメラは昼でも夜でも綺麗に撮影できることが分かりました。
ハイエンドモデルの名に恥じない優秀な性能です。
超広角カメラの作例
ROG Phone 9は1,300万画素の超広角カメラも搭載しております。
風景を撮影する時や食卓全体を撮影する場合に重宝するカメラ。
メインカメラとの画角の違いはこんな感じです。
なんとなく超広角カメラの方が色鮮やかな印象です。
引き続きPixel 9 Proと比較していきます。
超広角カメラが搭載されていてもオマケのような性能のことも少なくないですが、ROG Phone 9はしっかり撮影できる印象です。
メインカメラに比べると解像感が少し乏しいものの、これだけ撮れれば十分でしょう。
続いては夜景モード。
メインカメラよりも分かりやすく明るくなりました。バランスも良好ですね。
若干ノイズが気になりますが悪くないんじゃないでしょうか。
Pixel 9 Proはどうもイマイチ。ただ明るくしてるだけって感じが強いです。
超広角カメラの夜間撮影もROG Phone 9の方が好きでした。あんまり使う機会はないかもだけど。
最大8倍デジタルズームの作例
ROG Phone 9には望遠カメラが搭載されていないので、デジタルズームで最大8倍まで引き伸ばしての撮影になります。
って言うか旧モデルROG Phone 8には望遠カメラが搭載されていたので劣化ポイント。
なお、上位モデルのROG Phone 9 Proには望遠カメラが搭載されております。
処理性能が高いおかげか、8倍ズームでも他のスマホに比べると綺麗な印象です。
とは言え2倍ズーム以降はどんどん解像感がなくなってイラストっぽくなるので、あんまり使い道はないかなー?
ちなみにPixel 9 Proの8倍ズームはこんな感じです。
めっちゃ綺麗です。これはさすがに敵いませんね笑
ただスマホのズームは、遠くの被写体よりも近くの被写体に使うことが多いと思います。
このため、個人的には2倍ズームや3倍ズームが綺麗なら十分。
ROG Phone 9は2倍ズームがバッチリ!画角の調整にも使えそうです。
マクロ撮影の作例
登場する機会はないかもしれませんが、ROG Phone 9は500万画素のマクロカメラも搭載。
メインカメラで寄れなくなった時に使えば、ダイナミックな撮影ができちゃいます。
有効画素数は多くはないものの仕上がりは悪くなかったですよ。
なお、デジタルズームを使えばさらに寄ることもできるのでシーンに応じて使い分けても良いかもしれませんね。
50MP高画素モードの作例
ROG Phone 9のメインカメラは5,000万画素での撮影(高解像度モード)も可能。
通常撮影では4つの画素を束ねて1,250万画素にすることで感度を上げています。
画素数が多いほうが高精細に撮影できるような気がしますが、果たしてどれほど違うのでしょうか?
通常撮影と高解像度モードで撮り比べをした結果がこちら。
パッと見は全く違いが分かりません。ただ高解像度での撮影はトリミングで活かされます。それぞれの写真で同じ部分をトリミングした結果がこちら。
- 通常撮影
- 50MPモード
50MPモードで撮影した写真の方がキリッとしているのが分かりますね。鳥居の木目も描写できています。
あまりないかもしれませんが、例えば高画素モードで広めに撮影しておいて、後から必要な部分だけを切り出す時なんかに効果的です。
ポートレートモードの作例
ROG Phone 9にはポートレートモードもあります。
深度計測用カメラは非搭載なのでソフトウェア処理になりますが、被写体との切り分けも上手です。
撮影しながらでも、撮影後(ギャラリーアプリ)でもボケ味の調整は可能です。
人以外の被写体にもボケモード的に使うこともできました。
インカメラの作例
ROG Phone 9のインカメラは旧モデルから引き続き3,200万画素。撮影時にはメインカメラ同様にピクセルビニング処理がされるので、800万画素になります。
モデルは一旦置いておいて仕上がりは良好。明るく綺麗に撮影できていました。
インカメラでももちろんポートレートモードが使用可能。
通常撮影より若干暗くなるものの、被写体との切り分けは上手です。
動画撮影の作例
ROG Phone 9は最大8K@24fpsでも撮影できますが、今回は4K@30fps。
比較用にPixel 9 Proで撮影した動画も収録しています。
旧モデルROG Phone 8の動画撮影はボロボロでしたが、ROG Phone 9は十分綺麗に撮影できていました。一安心。
6軸ジンバルモジュールのおかげで手ぶれ補正が強力。動きながらの撮影でも活躍してくれそうです。
ROG Phone 9を実機レビュー
ここからはROG Phone 9の動作性能・バッテリー性能・カメラ性能以外のところを実機レビューしていきます。
OSはAndroid 15
ROG Phone 9に搭載されているOSはAndroid 15。
現時点で最新のAndroidがしっかり搭載されております。
ASUS独自のROG UIが採用されているものの、使いにくさを感じることはないと思います。そこまでクセが強くないですからね。
派手なカスタマイズはないものの、起動中のアプリを一括終了するボタンの場所や、ネットワーク設定スイッチへのアクセスがしやすい等、使いやすくなる工夫はあります。
また、音量をアプリごとに設定できるオリジナル機能も便利でした。これめっちゃ良くないですか?
この他、ROG Phone 9はネットワーク接続が不要なオンデバイスAI機能も複数搭載していました。
GoogleのGeminiや「かこって検索」はもちろん、リアルタイム通話翻訳や文字起こしも便利に使えます。
ちなみにXiaomiのAIもかなり使い勝手が良かったですよ。

メーカーによってOSは様々で、人によって使いやすい・使いにくいがあるとは思いますが、最終的には「慣れ」です。
どんなOSだって長く使っていけば自分が使いやすいようになっていくので神経質になることはありません。
ツインアプリ対応/マルチユーザー非対応
ROG Phone 9は基本的な便利機能を一通り搭載している印象。
画面分割、フローティングウィンドウ、サイドバーも入っております。
背面ダブルタップ等のジェスチャー操作は他のスマホよりも充実しているかもしれません。
電源ボタン2回押しでのカメラの起動もバッチリです。
この他、1つのアプリを複製できるツインアプリ(デュアルアプリ)機能にも対応。
例えばLINEを複製すれば、1台のスマホで仕事用とプライベート用のアカウントを使うこともできちゃいます。
またゲームを複製することもできるのでサブ垢運用している人にも重宝します。
残念ながら複数ユーザー機能や、いわゆるセカンドスペースにあたる機能は見つけることができませんでした。
おサイフケータイ/FeliCa対応
ROG Phone 9は旧モデルに引き続き「おサイフケータイ」に対応。
FeliCaポートはカメラユニットの下あたり。実際に使ってみましたが反応も良好です。
バーコード決済が普及してるとは言え、まだまだタッチ決済を使っている人も多い状況。
毎日使っているSuicaやPASMOをROG Phone 9でも使えるのは大きなメリットです。
IP65/68防塵防水対応
ROG Phone 9の防塵防水等級は旧モデルから引き続き最高クラスのIP65/IP68。
直接噴流はもちろんのこと、継続的な水没にも耐えられるほど強力な防水性能になります。
ちなみにライバルスマホのREDMAGIC 10 Proも「おサイフケータイ」には対応しましたが、構造的に防水性能を付けることは困難です。
このため、防水性能の高さは、1つリードするポイントになると思います。
なお、念のためにお知らせしておきますが、あくまでも防水性能です。
よく防水性能があるからお風呂でも使える!っていう記述を見かけますが、それは間違いなんですよ?
お風呂中に使っていて直ちに壊れることはないと思いますが、湯船に落としてしまったら最悪破損する可能性があるので注意しましょう。
また水がかかってしまった時は、しっかり乾かしてから充電しましょう。濡れた状態で通電させるのは非常に危険です。
高音質のステレオスピーカー搭載
ROG Phone 9には上部・下部それぞれにスピーカーが搭載されているので、横持ちならステレオサウンドを楽しむことが可能です。
一般的なスマホのスピーカーの音質は遥かに超えて超優秀。何より低音域が減衰が抑えられていて、ちゃんと感じることができるのが素晴らしいと思います。
旧モデルROG Phone 8から下部スピーカーが側面に搭載されることになって、音の出る方向が左右でアンバランスになりがち。
横持ちだと手のひらで塞いでしまうことも多いです・・・。
ただ、ROG Phone 9ではケースに改良(オーディオリダクション)が加えられ、擬似的にデュアルフロントスピーカーのように感じられるようになりました。
実際に試してみましたが、本当にディスプレイから音が出てくるような感覚になります。
ROG Phone 9の優秀なスピーカーならゲームも音楽も高音質で楽しめるので、付属ケースを装着するのをおすすめします。
なお、旧モデルから引き続きDiracチューナーも採用しており、臨場感のあるサウンドを満喫できますよ。
イヤホンを接続していれば、空間オーディオ「Dirac Virtuo」も使えます。
イヤホンジャック搭載
ROG Phone 9は旧モデルから引き続きイヤホンジャックを搭載しているので音質拘り派の人は素直にイヤホンを使っちゃいましょう。
イヤホンを使ったほうがDiarcチューニングの良さをさらに強く感じることができます。
ゲーマーにとってもサウンド面は重要で、特にFPSゲームは敵の足音や銃声の方向が分かるだけで、結果が変わってきますからね。
なお、イヤホンの種類によってはAir Triggersの操作に支障がでる場合もあるのでご注意ください。
プラグがL字になっているイヤホンであれば、干渉が少なくなるのでおすすめですよ。
BluetoothコーデックはLDAC・aptX Adaptiveに対応
ROG Phone 9にワイヤレスイヤホンを接続して使う人も多いと思います。
ゲームをプレイする時にワイヤレスイヤホンは遅延があるので厳しいですが、音楽を聞いたり動画を見るくらいであれば十分ですからね。
その場合に気になるのがBluetoothコーデック。
実際に接続してみたところ、以下のコーデックに対応していました。
- SBC:○
- AAC:○
- aptX:○
- aptX HD:○
- aptX Adaptive:○
- LDAC:○
- LHDC:✕
LHDCには非対応なものの、主要コーデックにはフル対応。
LDACはもちろん、aptX Adaptiveの96kHz/24bit再生をサポートするSnapdragon Soundにも対応していました。
Snapdragon Soundは、Qualcomm社が開発したワイヤレスオーディオ技術のプラットフォームです。スマートフォンやイヤホン、ヘッドホンなどのデバイス間で高音質な音を伝送することを目的としています。Snapdragon Soundの主な特徴は、高音質と低遅延。特に、aptX Adaptiveとを活用し、最大96kHz/24bitのハイレゾ音質をワイヤレスで再生可能にします。また、aptX LosslessはCD品質の音楽再生を実現し、最大44.1kHz/16bitのロスレス伝送をサポートしています。
通信状況に応じて自動的に音質を調整し、安定した接続を提供します。さらに、aptX Voice技術により、音声通話の品質も向上。Snapdragon Sound対応デバイスは、クアルコムの厳しいテストをクリアすることで認定され、ユーザーは安定した高音質なオーディオ体験を楽しむことができます。現在、世界中で70以上のブランドが採用しており、100以上の製品が対応しています。
ただしAmazon Musicのストリーミング再生では「48kHz/24bit」の、いわゆる「JEITA定義のハイレゾ」でした。
おそらくSRCによるダウンサンプリングが原因だと思いますが、日本オーディオ協会が求める「96kHz/24bit」には非対応。
どちらにしてもハイレゾであることに違いはないものの、ちょっと寂しいのは事実。
Amazon Musicアプリの表示がどこまで正確なのかは分かりませんが、音質に拘りがある人は音源をダウンロードした方が良いでしょう。
生体認証は指紋認証&顔認証
ROG Phone 9の指紋認証センサーは画面内に搭載。
反応は良好で、軽く触るだけでロック解除できました。
顔認証は専用センサーまでは非搭載なのでインカメラを使った簡易的なもの。
こちらも反応は良好で顔が入れば一瞬でロック解除されます。
iPhoneのようにロック画面に留まることもできますし、ロック画面を飛ばすことも可能です。
4キャリアに対応したBand構成
ROG Phone 9は国内4キャリアのBandにフル対応しています。
主要Band一覧表 | |
ドコモ回線(○) | Band 1 ○ Band 3 ○ Band 19(プラチナバンド)○ |
ソフトバンク回線(○) | Band 1 ○ Band 3 ○ Band 8(プラチナバンド)○ |
au回線(○) | Band 1 ○ Band 18(プラチナバンド)○ Band 26 ◯ |
楽天回線(○) | Band 3 ○ Band 28 (プラチナバンド)○ Band 18(パートナー回線)○ |
どの回線でも使うことができるスマホならMNPしやすいのでGOOD。
また、少しずつ広がってきた5G通信(Sub-6)にももちろん対応しています。ドコモの「n79」にも対応しているのが素晴らしいですね。
主要Band一覧表 | |
ドコモ回線 | n 77 ○ n 78 ○ n 79 ◯ |
ソフトバンク回線 | n 77 ○ |
au回線 | n 77 ○ n 78 ○ |
楽天回線 | n 77 ○ |
こちらの記事ではROG Phone 9が楽天モバイルで使えるか検証しているのでチェックしてください。

eSIMに対応している
ROG Phone 9はeSIMにも対応。これまでは非対応だったので嬉しい進化です。
eSIMに対応した通信キャリアも少しずつ増えてきました。
eSIMは慣れたら手続きがめちゃくちゃ楽なので、この機会にチャレンジしても良いかもしれません。
僕はいくつかeSIMを使ってきましたが、楽天モバイルのeSIMは手続きが分かりやすいので初心者におすすめ。IIJmioのeSIMも手続きが早いのでお気に入りです。
なお、eSIMを有効にすると物理SIMの片方が使えなくなります。
- 物理SIM + 物理SIM
- 物理SIM + eSIM
いずれかになるのでご注意ください。
ROG Phone 9のスペック・仕様
ROG Phone 9のスペックは以下の通りです。
参考に旧モデルROG Phone 8のスペックを並べて掲載しています。
製品名 | ROG Phone 9 | ROG Phone 8 |
価格 | 159,800円 | 159,800円 |
サイズ | 163.8mm 77mm 8.9mm | 163.8mm 76.8mm 8.9mm |
重さ | 227g | 225g |
ディスプレイ | 6.78インチ AMOLED LTPO 2,400×1,080 ピーク輝度2,500nit | 6.78インチ AMOLED LTPO 2,400×1,080 ピーク輝度2,500nit |
リフレッシュレート | 最大185Hz | 最大165Hz |
OS | Android 15 | Android 14 |
SoC | Qualcomm Snapdragon 8 Elite | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3 |
RAM | 12GB | 16GB |
ROM | 256GB | 256GB |
外部ストレージ | 非対応 | 非対応 |
リアカメラ(メイン) | 5,000万画素 35mm換算:23.8mm f/1.9 LYTIA 700 1/1.56 | 5,000万画素 35mm換算:23.8mm f/1.9 IMX890 |
リアカメラ(超広角) | 1,300万画素 35mm換算:12.7mm f/2.2 | 1,300万画素 35mm換算:12.7mm f/2.2 |
リアカメラ(望遠) | なし | 3,200万画素 35mm換算:65.3mm f/2.4 |
リアカメラ(マクロ) | 500万画素 35mm換算:23.6mm f/2.0 | なし |
インカメラ | 3,200万画素 35mm換算:21.9mm f/2.0 | 3,200万画素 35mm換算:22mm f/2.05 |
ビデオ(リアカメラ) | 8K@30fps 4K@60fps,30fps 1080P@60fps,30fps 720P@30fps,60fps | 8K@24fps 4K@60fps,30fps 1080P@60fps,30fps 720P@30fps,60fps |
ビデオ(インカメラ) | 1080P@30fps 720P@30fps,60fps | 1080P@30fps 720P@30fps,60fps |
バッテリー | 5,800mAh | 5,500mAh |
ポート | USB Type-C 65W急速充電 | USB Type-C 65W急速充電 |
ワイヤレス充電 | 対応 | 対応 |
生体認証 | 画面内指紋認証 顔認証 | 画面内指紋認証 顔認証 |
対応SIM | nano SIM×2 eSIM | nano SIM×2 |
2回線同時待ち受け | 可 | 可 |
対応Band | 5G(Sub6): n1, n2,n3,n5,n7,n8,n12,n18,n20,n25,n26, n28,n38,n40,n41,n48,n66,n77, n78,n79 FDD-LTE:B1,B2,B3,B4,B5,B7,B8,B12,B17,B18,B19 B20,B25,B26,B28,B32,B66 TD-LTE:B34,B38,B39,B40,B41,B42,B43,B48 WCDMA:B1,B2,B4,B5,B6,B8,B19 GSM:850,900,1800,1900 | 5G(Sub6): n1, n2,n3,n5,n7,n8,n12,n18,n20,n25,n26, n28,n38,n40,n41,n48,n66,n71,n77,n78,n79 FDD-LTE:B1,B2,B3,B5,B7,B8,B12,B17,B18,B19 B20,B25,B26,B28,B32,B66 TD-LTE:B34,B38,B39,B40,B41,B42,B43,B48 WCDMA:B1,B2,B4,B5,B6,B8,B19 GSM:850,900,1800,1900 |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac/ax/be | 802.11a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | Ver5.4 | Ver5.4 |
位置情報 | GPS GLONASS BeiDou GALILEO QZSS NavIC | GPS GLONASS BeiDou GALILEO QZSS NavIC |
イヤホンジャック | あり | あり |
スピーカー | ステレオ | ステレオ |
FMラジオ | なし | なし |
防塵防水 | IP68 | IP68 |
NFC | あり | あり |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 |
まとめ:ROG Phone 9のメリット・デメリット・評価
ASUSのゲーミングスマホROG Phone 9を実機レビューしました。
最後に本記事のおさらい。メリット・デメリット・評価をまとめて紹介いたします。
メリット・デメリット
ROG Phone 9を買うべきメリット、購入前に確認しておきたい注意点は以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・最強の動作性能 ・最高のゲーム性能 ・豊富なゲーム機能 ・バッテリー持ち向上 ・メインカメラが綺麗 ・ワイヤレス充電 ・おサイフケータイ ・IP68防塵防水 ・イヤホンジャック ・eSIM対応 | ・実質値上がり ・進化が少ない ・RAMが12GBになった ・パンチホールインカメラ ・望遠カメラ非搭載 ・SDカード非対応 |
評価
総合評価:(4.5点/5点満点)
デザイン | ★★★★☆ |
サイズ感 | ★★★★☆ |
ディスプレイ | ★★★★☆ |
動作性能 | ★★★★★ |
ゲーム性能 | ★★★★★ |
バッテリー性能 | ★★★★★ |
カメラ性能 | ★★★★☆ |
機能・付加価値 | ★★★★★ |
昨年のROG Phone 8と同様に「普段使いできるゲーミングスマホ」の流れはそのままに、最新のSoCを搭載したことで動作性能がガッツリ向上していました。
もちろんこれまで同様にゲーム機能も充実。ROG Phone 9を使えばゲームのレベルが1段階も2段階もアップするでしょう。
バッテリー持ちが良くなっているのも嬉しいポイントでした。
ただ、性能以外で旧モデルからの進化は控えめ。
改良された付属ケースによる擬似的なデュアルフロントスピーカー(オーディオリダクション)とeSIMに対応したことくらいでした。
どちらも弱点を補う嬉しい変更ですが、もう一声欲しかったですね。
パンチホールインカメラも変更がありませんでした。
また価格は据え置きにはなっているものの、削られてしまったところもあります。
- RAMが16GBから12GBに減少
- 望遠カメラがマクロカメラに変更
特にRAM容量が少なくなってしまったのは、ゲーミングデバイスとしては痛い変更点かもしれませんね。
とは言え、普段使いできる機能を搭載しているのはやっぱり大きなメリット。
- おサイフケータイ
- IP68防塵防水
- ワイヤレス充電
特にIP68防塵防水はライバルスマホREDMAGIC 10 Proには構造的に搭載できない機能なのでROG Phone 9だけの強みになります。
ROG Phone 9は、ゲームだけではなく、あなたの日常もサポートしてくれる最強のパートナーになってくれるはずです。
【スマートフォン検証方法】
当ブログでレビューしている全てのスマートフォンは実際に私が使用しています。デザイン・ディスプレイ性能・動作性能・バッテリー性能・カメラ性能などを標準的なベンチマークアプリによるテストに加えて私の体験によって定量的・定性的に評価しています。また、一部のテストでは同程度の価格・性能のスマートフォンと比較することで評価をより明確にしています。私は全ての商品レビューを当ブログのレビューガイドラインに基づいて実施しています。