(3.5点/5点満点)
EarFun Free 2Sをご提供いただきました。
以前レビューさせていただいたEarFun Free 2の進化モデルです。
- 低遅延モード搭載
- ワイヤレス充電対応
- IPX7防水性能
5,000円ほどで購入できるワイヤレスイヤホンとしては貴重な機能はそのままに、コンパニオンアプリ「EarFun Audio」との連携機能が追加され、さらに使いやすくなったとのこと。
定価は1,000円ほどアップしていますが、EarFunはAmazonで使えるクーポンを頻繁に発行しているので、実際にはFree 2と殆ど変わらない価格で購入可能です。
果たして旧モデルに比べてどのくらい使いやすくなっているのか?本記事でEarFun Free 2Sを実機レビューいたします。
メリット | デメリット |
・旧モデルよりコンパクト ・フィット感が抜群 ・コンパニオンアプリ対応 ・イコライザーあり ・タッチ操作で音量調整 ・タッチ操作カスタマイズ ・低遅延モード搭載 ・長持ちバッテリー ・ワイヤレス充電対応 ・IPX7防水 ・通話ノイキャンが優秀 | ・音質は価格なり ・高音シャリシャリ ・マルチポイント非対応 ・ノイキャンなし ・外音取り込みなし ・着脱検知なし |
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EarFun Free 2Sのデザイン・サイズ感・付属品をレビュー
まずはEarFun Free 2Sの外観・付属品を見ていきましょう。
デザイン
EarFun Free 2Sにはカラーバリエーションはなくブラックのみ。
カラバリにホワイトがあったりすれば女性ユーザーが増えそうな気がしますけどね。
光沢が抑えられたマットな色合いなので指紋や皮脂汚れが目立ちません。
表面にはLEDランプが1つ搭載されており、点灯色によってザックリとケースバッテリー残量を把握可能です。
LEDの色 | バッテリー残量 |
緑 | 30%超 |
オレンジ | 30%未満 |
赤 | 10%未満(要充電) |
上蓋にはブランドロゴの刻印。
背面には充電用のUSB Type-Cポートとペアリングやリセットに使う物理ボタンが1つありました。
LEDによるケースバッテリー残量は上蓋の開閉のほか、この物理ボタンを押しても把握できます。
底面にはバッテリー仕様と各種認証マークの表示。技適・PSEそれぞれ確認できました。
ラウンド形状ではないので自立できるタイプです。
上蓋を開けるとイヤホンの登場。
マグネットで固定されているので逆さまにしても落ちません。
上蓋の磁力が少々弱いようで開いてしまうこともあると思いますが、しっかりくっついているので安心ですね。
イヤホンはスティックのないスタンダートタイプ(蕾型)。
ケース同様に光沢のないマットな色合いでした。
指紋等は目立ちにくいものの、耳に直接部分は皮脂が付着するので時々綺麗にしてあげましょう。
サイズ感
充電ケースのサイズは旧モデルFree 2と同じで66×39×29mm。
WF-1000XM4と同じように横に長いデザインです。
厚みも両者でほぼ一緒。
少々大きめですが持ち歩いて不便に感じるほどではありません。
もちろん探せばもっとコンパクトなケースのワイヤレスイヤホンもあるでしょうけどね。
重さはイヤホンを含めて46gほどと、大きさの割には軽いです。
イヤホンのサイズは旧モデルFree 2よりも小さくなっていました。
重さは片耳4.5gと、Free 2よりも1.5gほど軽いです。
ワイヤレスイヤホンの大きさはコンパクトに越したことはないと思っているので、個人的に嬉しいポイントでした。
付属品
EarFun Free 2Sの付属品は以下のとおり。
- ユーザーマニュアル(日本語あり)
- 充電ケーブル
- イヤーピース
- クリーニングスティック
いつからかEarFunのワイヤレスイヤホンにはクリーニングスティックが付属されるようになりました。毎日耳に装着するとどうしても汚れが付いてしまうので、嬉しいですね。
先端が尖っているので細かい部分の汚れも落としやすいです。
イヤーピースはデザイン違いで2種類付属。
耳の形やフィット感の好みに合わせて自分が好きなものを装着しましょう。
少し面倒かもしれませんが全種類試したほうが良いですよ。
ワイヤレスイヤホンはイヤーピース1つで使い心地が変わってきますからね。
交換は引き抜くだけなので簡単です。
ステム(ノズル)の形状は一般的なので他社製のものにも交換できると思います。
充電ケーブルはUSB Type-A/Type-Cのものでした。
EarFun Free 2Sを実機レビュー
ここからはEarFun Free 2Sを実際に使ってみた様子をレビューしていきます。
簡単ペアリング!見つけてタップするだけ
EarFun Free 2Sのペアリングは超簡単。接続デバイスのBluetooth設定から「EarFun Free 2S」を見つけてタップするだけ。
まず最初にケースに付いてる絶縁シートを外してください。
これを忘れると一生ペアリングできませんよ笑
イヤホンをケースに戻して、再び上蓋を開けるとペアリングモードになります。
イヤホンのLEDランプが青く点滅していればOK。
あとは接続したいスマホやタブレット等のBluetooth設定で「EarFun Free 2S」を見つけてタップすればペアリング完了です。
なお複数のデバイスと同時接続できるマルチポイント接続には非対応ですが、マルチペアリングには対応しています。
ケース背面の物理ボタンの長押しでペアリングモードに突入。デバイスの切り替えは都度操作が必要になります。
- Aデバイスとの接続を解除
- ペアリングモードへ
- Bデバイスとペアリング
ワイヤレスイヤホンによっては切断する必要がないものもありますが、EarFun Free 2Sは対応していませんでした。残念。
TrueWireless Mirroring搭載で片耳利用も簡単
EarFun Free 2Sには、Qualcomme製のBluetooth接続方式「TrueWireless Mirroring」が搭載されています。
これは、2020年に発表された左右同時接続技術で、デバイスとイヤホン間の接続が安定しているのが特徴です。
また、これまでQualcomme製の左右同時接続方式は一部のAndroid端末でしか利用できませんでしたが、TrueWireless Mirroringであれば利用できるデバイスを問いません。
つまり、EarFun Free 2Sは、Android端末・iOS端末どちらで使っても安定した接続になるわけです。
さらに、TrueWireless Mirroringでは、左右のイヤホンに主従関係がないので片耳利用も簡単。使わないイヤホンをケースに収納するだけです。
左でも右でも好きな方を簡単に使えちゃいます。
仕事・勉強・家事などをしながら音楽を聞くのに片耳利用は重宝します。
ややこしい設定をしなくてもすぐに使えるので超便利です。
BluetoothコーデックにaptXを採用
EarFun Free 2SはBluetoothコーデックにaptXも採用されているので、対応デバイスならSBC・AACよりも高音質・低遅延で利用できます。
ただハッキリと音質の違いを感じるのか?と聞かれたら困ってしまうレベル。
データを取れば違いは明らかなのでしょうが、個人的にはBluetoothイヤホンで音楽を聴くくらいであれば大きな差を感じません。
音質は低音強めのドンシャリ傾向
EarFun Free 2Sは普段使いで困らない音質。毎日の通勤・通学時に使うのにピッタリだと思います。
音質の傾向はいわゆる「ドンシャリ」です。
特に低音の力強さが印象的なので、低音が利いてる曲が好きな人はEarFun Free 2Sの音質に満足できると思います。
低音の主張が激しいと言っても、こもったような感じではなく、ボーカルを中心とした中音域もよく聴こえて全体的にクリアなサウンドです。
ただ高音部のシャリつきはちょっと気になりました。
ハイハットの音や「さ行」「つ」「ち」が耳障りに感じることがあります。
このため、音量を大きくしすぎると耳が疲れてしまうので、ほどほどにしておきましょう。
まだ数時間しか使っていないので、これから自然なエイジングが進めば高音のブーストも落ち着いてくると思います。
また、接続デバイスや好みのジャンルによっても感じ方は変わるでしょう。
ロック・HIPHOP・ダンスミュージックが好きな僕の感想として参考にしてください。
WF-1000XM4と音質比較
僕が持っているワイヤレスイヤホンの中では最高音質(だと思っている)のSONY WF-1000XM4と聴き比べもしてみました。
さすがは高級ワイヤレスイヤホン。
WF-1000XM4の方が音の解像度が高く、輪郭がハッキリしています。
また1つ1つの音色に質感があり、比べてみるとEarFun Free 2Sの音が薄っぺらく感じてしまいました。
ただ低音の強さはEarFun Free 2Sのほうが勝っている印象です。
音場はWF-1000XM4の方が広く、より臨場感のあるサウンドになっていました。
とは言え、音質に拘りがあって細かな音色を隅々まで楽しみたい人にはWF-1000XM4が向いていると思いますが、多くの人はEarFun Free 2Sの音質で十分満足できるでしょう。
5,000円前後で購入できるワイヤレスイヤホンの音質は十分超えていると思います。
イコライザーで好みのサウンドに調整できる
EarFun Free 2Sはコンパニオンアプリ「EarFun Audio」からサウンドの調整が可能です。
EarFun Audio
Earfun Technology (HK) Limited無料posted withアプリーチ
これは旧モデルFree 2から進化したポイントの1つになります。
用意されている4つのプリセットのほか、各音域-10から+10まで20段階の細かい調節が可能です。
僕は実際に音楽を聞いていて高音のシャリつきが気になったのでプリセットの「高音を弱める」がピッタリのバランスでした。
さらに低音を強めても良いですし、ボーカルを強調させても良いでしょう。
自分好みのサウンドを作れるところがEarFun Free 2Sの特徴です。
ケースとの併用で30時間使える長持ちバッテリー!
スペックによると1回の充電で7時間の連続再生、ケースでの充電を併用すると30時間使えるということで超長持ちです。
1日2時間使うとしたら2週間くらいはケースの充電が必要ないほどのバッテリーもち。
7時間連続再生可能であれば、長時間のフライトなどでも耐えられるでしょう。
ワイヤレス充電に対応!急速充電もできる
EarFun Free 2Sは付属のUSBケーブルで充電できるのはもちろん、ワイヤレス充電にも対応しています。
5,000円前後の価格帯でワイヤレス充電に対応しているのは嬉しいポイント。
使っている時も、充電している時もワイヤレス。
これぞ正真正銘の完全ワイヤレスイヤホンと言っていいでしょう。
有線・無線どちらでも充電速度に大きな違いはありませんでした。
さらに、10分の充電で2時間利用できる延命機能も搭載されています。
イヤホン付けたまま値落ちしちゃってバッテリーがなくなっても、朝の支度をしている間に通勤・通学時間くらいは利用できるまで復活するので安心です。
タッチ操作で音量調節可能
EarFun Free 2Sはイヤホンの表面にタッチセンサーが搭載されています。
可能な操作は以下のとおり。
再生/一時停止 | 左右どちらかを2回タッチ |
曲送り | 右を3回タッチ |
曲戻し | 左を3回タッチ |
音量上げる | 右を1回タッチ |
音量下げる | 左を1回タッチ |
電話を受ける/切る | 左右どちらかを2回タッチ |
着信拒否 | 左右どちらかを2秒長押し |
音声アシスト起動 | 右を2秒長押し |
ゲームモード ON/OFF | 左を2秒長押し |
再生中に1回タッチで音量調整できるところが超便利。
EarFun Free 2Sよりも高級なワイヤレスイヤホンでも音量調節できないモデルも普通にあるので貴重です。
タッチ操作のカスタマイズ可能
EarFun Free 2Sのタッチ操作はコンパニオンアプリからアサイン変更可能です。
割り当て可能な項目は左右それぞれ以下のとおりです。
タッチ操作 | 割り当て可能な機能 |
シングルタップ | 無効 音量を上げる 音量を下げる 前の曲 次の曲 |
ダブルタップ | 再生/一時停止 前の曲 次の曲 音声アシスタント |
トリプルタップ | 再生/一時停止 前の曲 次の曲 音声アシスタント ゲームモード |
長押し | 再生/一時停止 前の曲 次の曲 音声アシスタント ゲームモード |
シングルタップに再生/一時停止を割り当てできないのは誤動作防止のためだと思います。
よく考えられていますよね。
嬉しい低遅延(ゲーム)モード搭載
ワイヤレスイヤホンはBluetoothで音声データを伝送する使用上、どうしても遅延は発生してしまいます。
ただEarFun Free 2SはaptXに対応しているせいか、他のワイヤレスイヤホンに比べて遅延を感じにくいと思いました。
例えば動画視聴をしていても、口の動きとセリフの音声とのリップシンクが気になることは殆どありません。
これだけなら他のワイヤレスイヤホンでもよくあるのですが、驚いたのはゲームです。
Apexモバイルをプレイしてみたところ、射撃ボタンをタップしてから銃声までの遅延が他のワイヤレスイヤホンよりも短かったです。
このままでもプレイできそうですが、さらにEarFun Free 2Sにはゲームモード(低遅延モード)が搭載されています。
ゲームモードを有効にすれば音ズレは殆ど感じないので、Apexモバイルを普通にプレイできちゃいました。
もちろん音ゲーをプレイするのは無理だと思いますが、普段使いで遅延に悩まされることはないと思います。
通話品質も問題なし
ワイヤレスイヤホンを装着しながら音声通話をする人も多いと思います。
そこでEarFun Free 2を装着してLINEアプリで通話してみました。
通話相手の音声は綺麗に聞こえて、こちらが話した音声も問題なく聞こえていたようです。
EarFun Free 2Sにはノイキャン(アクティブノイズキャンセリング)は搭載されていませんが、通話時のノイズキャンセル機能はあります。
そこで効果を確かめるために実際にマイクで録音してみました。
スピーカーから雑踏音をそこそこ大きなボリュームで流しながら収録しています。
参考にこちらはAirPods Pro(第2世代)で録音した音声です。
AirPods Pro(第2世代)の通話ノイキャンの性能はかなり高いと思っているのですが、EarFun Free 2Sも負けず劣らず周囲の雑音をカットしてくれているのが分かりますね。
EarFun Free 2Sのマイクは普段使いで困ることはない性能だと思います。
耳にフィットする装着感
旧モデルFree 2を使った時と同じように、EarFun free 2Sは僕の耳と相性が良いようでフィット感が抜群に良かったです。
しかもFree 2よりもイヤホンのサイズがコンパクトになったおかげで、窮屈な感じが軽減していました。
耳からの飛び出しも少ないので見た目もスッキリしていて良い感じ。
長時間装着していても耳への負担が少ないので安心です。
ちなみにこれがFree 2を装着した時の様子。トリミングしている場所が異なるので分かりにくいかもしれませんが、Free 2Sよりも大きいですよね。
耳に挿入した後にイヤホンを少し回転させると収まりが良くなります。
これだけフィット感に優れていれば、イヤホン自体が耳栓代わりになってくれるのでノイキャンがなくても遮音性はそれなりに高いです。
いわゆる「パッシブノイズキャンセリング」がよく効いていると思います。
ただ逆に言えば、カナル型イヤホン特有の圧迫感・閉塞感が強め。
カナル型イヤホンが苦手な人は注意したほうがいいでしょう。
IPX7等級の防水性能が心強い
EarFun Free 2Sの防水性能は強力。
一般的に汗や雨に強いIPX4等級くらいあればワイヤレスイヤホンとしては十分なところ、Free 2SはIPX7です。
水深15cm~1mで30分間水没させても浸水することがない程の強さになります。
うっかり水没させてしまっても壊れることはないでしょう。
水に濡れた場合は、よく乾燥させてから充電するようにしましょう。
水分がある状態での通電は非常に危険です。
EarFun Free 2Sのスペック
再生時間 | 7時間 ケースと併用:30時間 |
充電時間 | イヤホン:1.5時間 充電ケース:2時間 ワイヤレス充電:3.5時間 |
バッテリー容量 | ケース:400mAh イヤホン:40mAh |
充電端子 | USB Type-C |
ワイヤレス充電 | 対応 |
ケースサイズ | 66×39×29mm |
重さ | ケース:約47g イヤホン:約4.7g |
Bluetooth | Ver.5.2 |
通信距離 | 最大15m |
防塵・防水規格 | IPX7(イヤホンのみ) |
チップ(SoC) | Qualcomm QCC3040 |
Bluetoothプロファイル | A2DP, AVRCP, HFP, HSP |
対応コーデック | AAC,SBC,aptX |
ドライバーサイズ | 6mm |
周波数応答 | 不明 |
インピーダンス | 不明 |
搭載されているSoCはQualcomm製「QCC3040」。
2020年3月に発表されたイヤホン向けのチップセットで以下の特長があります。
- アクティブノイズキャンセリングに対応
- TrueWireless Mirroring搭載
- aptX Adaptiveまで対応できる
もちろんイヤホンによってどの機能が搭載されているかはバラバラなんですが、1万円以下のワイヤレスイヤホンに搭載されていることが多いです。
まとめ:EarFun Free 2Sのメリット・デメリット・評価
EarFun Free 2Sを実機レビューしました。
最後に本記事のおさらい。メリット・デメリット・評価を紹介いたします。
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
・旧モデルよりコンパクト ・フィット感が抜群 ・コンパニオンアプリ対応 ・イコライザーあり ・タッチ操作で音量調整 ・タッチ操作カスタマイズ ・低遅延モード搭載 ・長持ちバッテリー ・ワイヤレス充電対応 ・IPX7防水 ・通話ノイキャンが優秀 | ・音質は価格なり ・高音シャリシャリ ・マルチポイント非対応 ・ノイキャンなし ・外音取り込みなし ・着脱検知なし |
評価
(3.5点/5点満点)
さすがコスパのEarFun製品。
EarFun Free 2Sも価格以上の機能・性能で非常に優秀でした。
コンパニオンアプリに対応したことでイコライザーやタッチ操作のカスタマイズができるようになり、旧モデルからの進化を感じます。
イヤホンのサイズがコンパクトになった点も嬉しいポイントでした。
もちろんハイエンドモデルと比べてしまうと音質面・機能面で劣りはしますが、必要最低限の機能を搭載したモデルをなるべく安く購入したい人には有力な選択肢になると思います。