評価:(4.5点/5点満点)
お世話になります。ワイヤレスイヤホン愛好家のガジェットブロガーちびめがね(@chibimeganecom)です。
Pixel Buds Proを購入しました。
2022年7月に発売されたGoogle製の完全ワイヤレスイヤホンです。
僕が現在メインで使っているスマホが同じくGoogle製のPixel 6a。
きっと相性が良いだろうなーという期待と、Pixel Budsシリーズ初のノイキャンの性能はどんなものかと気になったので購入です。
実際にしばらく使ってみたところ、必要な機能がギュッと詰まっていて23,800円(税込)というちょっぴり高めな価格設定も妥当だなと感じました。
特にイヤホン本体のコンパクトなサイズ感とノイキャンの高い効果が気に入って、他にもワイヤレスイヤホンを持っていますが、ついつい毎日使いたくなる魅力があります。
本記事でPixel Buds Proを実機レビューするので、購入の参考にしてください。
メリット | デメリット |
・可愛いデザイン・質感も良し ・コンパクトなサイズ感 ・低音が強い音質(好み) ・ノイキャンの効果が高い ・外音取り込みもそれなり ・十分なバッテリーもち ・ワイヤレス充電対応 ・コンパニオンアプリがある ・Pixelスマホとの相性が良い ・スワイプで音量調整 ・Googleアシスタント搭載 ・通知読み上げ機能 ・簡単ペアリング ・マルチポイント対応 ・イコライザー対応 ・空間オーディオ対応 | ・ケースの汚れが目立つ ・取り出しにくい ・より高音質のイヤホンもある ・iPhoneで使いにくい ・タッチ操作はほぼ固定 ・防水性能やや弱め ・低遅延モードなし |
同じPixelシリーズのスマートウォッチ「Google Pixel Watch」をこちらの記事でレビューしています。
39,800円とちょっぴり高いですが完成度が高く、毎日使いたくなる美しいデザインが魅力。FeliCa搭載も嬉しいポイントです。
本記事とあわせてチェックしてくださいね。
タップして読みたい場所へ
- Pixel Buds Proのデザイン・サイズ感・付属品をレビュー
- Pixel Buds Proを実機レビュー
- Google Fast Pairで簡単ペアリング
- Google Pixelならコンパニオンアプリ不要
- iOSデバイスでのメイン利用はおすすめできない
- マルチポイントに対応
- (追記)使用開始後に定位がズレることがある
- 力強い低音が魅力の音質
- WF-1000XM4と聴き比べ
- (追記)アップデートでイコライザー(EQ)に対応しました
- (追記)アップデートで空間オーディオに対応しました
- (追記)アップデートでヘッドトラッキングに対応しました
- 小さな音でも音質を保つボリュームEQ
- 優秀なアクティブノイズキャンセリング(ANC)
- 通話時のノイキャン効果も高い
- 外部音取り込みモードも悪くない
- スペック以上のバッテリーもち
- 5分の充電で1時間再生できる急速充電
- ケースの充電速度も良い感じ
- ワイヤレス充電に対応
- 装着感は良好
- 音量調整に対応したタッチ操作
- Googleアシスタント搭載
- 通知読み上げ機能が便利
- 装着検知の反応は上々
- 動画視聴には困らない遅延
- デバイスを探すに対応している
- IPX4防水性能は雨と汗を防ぐ程度
- Pixel Buds Proのスペック
- まとめ:Pixel Buds Proのメリット・デメリット・評価
Pixel Buds Proのデザイン・サイズ感・付属品をレビュー
まずPixel Buds Proの外観と付属品を見ていきましょう。
デザイン
Pixel Buds Proのカラーバリエーションは以下の4色。
- Charcoal(チャコール)
- Coral(コーラル)
- Fog(フォグ)
- Lemongrass(レモングラス)
充電ケースはどれもホワイトで、イヤホン表面の色が異なります。
Google製品ってどこか遊び心があって良いですよね。
このうち僕が購入したのはFogです。
充電ケースは光沢がなくサラサラとした触り心地。安っぽさがなくて質感がめちゃくちゃ良い!
表面にはLEDを1つ搭載し、バッテリー残量やペアリングのステータスを表示してくれます。
LEDの点灯・点滅のパターンは以下のとおりです。
ケースが開いている イヤホンの状態を表示 | |
白点灯 | バッテリー残量十分 |
オレンジ点灯 | 充電中 |
白点滅 | ペアリングモード |
オレンジ点滅 | ケースのバッテリー残量が少ない |
白・オレンジ点滅 | ペアリングモードエラー |
ケースが閉じている ケースの状態を表示 | |
白点灯 | バッテリー残量十分 |
オレンジ点灯 | 充電中 |
オレンジ点滅 | ケースのバッテリー残量が少ない |
背面には物理ボタンを1つ搭載しています。
押すとLEDが点灯し充電の状態を表示。長押しするとペアリングモードになります。
本体下部には充電用のUSB-Cポートがあります。
ラウンド形状なのでケースは自立しません。
蓋を開けるとイヤホンのお目見え。ケースに縦に挿入して収納するタイプですね。
やっぱりFogを買って正解だったかも。ケースの色との相性が良い。
上蓋はマグネットで固定されていますが片手で楽に開閉できます。
逆にイヤホンはガッチリ固定されており、逆さまにしても落ちることはありません。
ただ磁力が強いのとイヤホンの形状が相まって取り出しにくいことがありました。
摘む部分がないので指が滑ってしまうんですよね・・・。
イヤホンはスティックのないスタンダードタイプ。
イヤホンも光沢がないマットなデザイン。Gマークが刻印されている表面は充電ケースより僅かにしっとりした質感でした。
1つのイヤホンにマイクを3つ搭載し、それぞれメッシュカバーが付いているので風切り音を軽減してくれるそうです。
ハウジング下部にあるのは装着検知用のIR近接センサーだと思います。
サイズ感
ケースのサイズは63.2×50×25mmで手のひらにおさまるサイズ感。
触り心地の良さと角のない形状のせいか、ずっと持っていたくなるようなフィット感があります。ワイヤレスイヤホンを使っていてこんな風に感じたのは初めてですね。
持ち運びに不便なことはありませんが、他のワイヤレスイヤホンよりも少し大きいかもしれません。
イヤホンを収納した状態での重さは61gと一般的です。
イヤホンのサイズは23.72×22.03×22.33mm。
ケースの大きさの割にイヤホンはかなりコンパクト。ハウジングが小さくて良いですね。
重さは実測で5gと軽量なので耳に負担がかかることはありません。
ワークアウト中でも余裕で使えましたよ。
付属品
Pixel Buds Proの付属品は以下のとおりです。
- マニュアル類
- イヤーピース
充電器(ACアダプター)はもちろん、USBケーブルも付いてないのでご注意ください。
マニュアルは日本語ページもありますが超簡易的なもの。
使い方を詳しく知りたい場合にはGoogleのPixel Budsヘルプページを確認しましょう。
イヤーピースは最初から付属されているものを含めて3サイズ。
音質やアクティブノイズキャンセリングの効果はフィット感が重要なので、めんどくさくても全サイズ試しましょう。
イヤーピースの交換は引き抜くだけなので誰でも簡単にできます。
ステムは円形で高さは低め。直径は実測で7mmほどでした。
他社製のイヤーピースに交換する場合には、Pixel Buds Pro向けに作られているものがいいでしょう。
Pixel Buds Proを実機レビュー
ここからはGoogle Pixel Buds Proを実際に使ってみた様子をレビューしていきます。
Google Fast Pairで簡単ペアリング
Pixel Buds ProはGoogle Fast Pairに対応しているのでAndroid端末であればペアリングがめちゃくちゃ簡単です。
さすがGoogleの作ったワイヤレスイヤホン。
上蓋を開け、表示されたポップアップの「接続」をタップするだけで完了です。
Google Fast Pairに対応していないスマホや、iOSデバイスでも難しくはありませんよ。
上蓋を開け、スマホのBluetooth設定で「Pixel Buds Pro」を探してタップすればペアリングが完了します。
Google Pixelならコンパニオンアプリ不要
Pixel Buds Proはコンパニオンアプリ「Pixel Buds」で各種機能の設定が可能です。
Google Pixel Buds
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ただGoogle Pixelシリーズを使っている場合にはコンパニオンアプリは不要。
Bluetooth設定内で歯車マークをタップすればアプリと同じことができます。
別途アプリを落とさなくても良いので超便利。
箱から出して蓋を開けるだけですぐに使い始めることができちゃいますよ。
やっぱり同じPixelシリーズということで相性抜群です。
iOSデバイスでのメイン利用はおすすめできない
Pixel Buds ProはiPhoneなどのiOSデバイスにも接続できますが、メインとして利用するのはおすすめできません。
コンパニオンアプリのPixel BudsはiOSバージョンが提供されておらず、各種機能の設定ができないからです。
もちろんiPhoneのBluetooth設定にも設定項目はありませんよ。
「OK,Google」も使えないですし、ファームウェアのアップデートも不可能。
メインのスマホでAndroidを使っていて2台目以降にiPhoneを接続するなら良いと思いますが、そうではないなら素直にAirPodsを使っておきましょう。
マルチポイントに対応
Pixel Buds Proは複数の端末と接続できるマルチペアリングはもちろん、デバイス間の切り替えが簡単なマルチポイントにも対応しています。
通常複数のデバイスとの接続を切り替えるには、接続中のデバイスとのペアリングを解除しなければ別のデバイスに接続できません。
マルチポイント接続に対応していれば、2台のデバイスに同時接続できるので、切り替え操作不要で音が流れているデバイスに勝手に接続してくれます。
例えばPixel Buds Proをスマホとパソコンに接続している場合、パソコンで音楽を聞いている最中にスマホで電話がなったとしても、パソコンの音楽再生を止めてあげるだけで、スマホで音声通話ができます。
マルチペアリングはできてもマルチポイントに対応しているワイヤレスイヤホンは珍しいので優秀なメリットです。
2台目以降のデバイスと接続する場合には、ケース背面のボタンを長押しでペアリングモードになります。
なお、マルチポイントは初期設定では無効になっているため、必要な場合にはコンパニオンアプリで有効化してあげましょう。
(追記)使用開始後に定位がズレることがある
Pixel Buds Proを使っていて、ふと気付いたのですが、ケースから取り出して耳に装着し、音楽を再生すると定位がズレていることがありました。
特に気付きやすいのがボーカルの位置。左右どちらかに偏っていることが多いです。
イヤホンを一旦外して再び装着すると直るのですが、かなり頻繁に発生するのでプチストレス・・・。
いつから発生しているのか、また解決方法等は分かりませんが、僕以外にも同じように感じている人もいるようです。
pixel buds pro使ってるけど
ケース取り出し後、定位がずれるのが気になる。
ケースに入れ直すと直るし。
不具合なのか— るーく (@LATEXpapa) December 6, 2022
やっぱりPixel Buds Pro挙動おかしくね?
イヤホンをケースから取り出してすぐ装着すると両方のイヤホンの音の定位がおかしなことになる
片耳を外して一時停止させてからまた装着すると直る
これおま環?同じ症状の人いないかな— す〜ぱ〜社会不適合くん (@7mi_mama) November 1, 2022
なんかPixel Buds、Pixel7への初回接続時に左右の定位がおかしくなる…。真ん中に定位すべき音が、右側で鳴っていて、左側も少し音がズレて小さく鳴ってる感じ…。BT再接続で直る
— ほげ山さん (@hogeyama_san) December 12, 2022
今後のアップデートで修正されるかもしれないので、何か新しいことが分かったら本記事をを更新してお知らせいたします。
力強い低音が魅力の音質
ワイヤレスイヤホンを使用する上で最も重要なのは当然音質ですよね。
Pixel Buds Proの音質を紹介していきます。
なお音質は簡単に数値化できる性能ではなく、あくまで僕自身の感覚・感想です。
また、接続するデバイスによっても音質は変わります。
特にAndroidスマホには「Dolby Atmos」や「Dirac」のような音響技術が標準搭載されているものも多く、常にイコライザーが働いているような状態なのでご注意ください。
Pixel Buds Proは、多くの人を十分満足させる音質だと感じました。
2万円のワイヤレスイヤホンですからね?音質がショボかったら詐欺です笑
最も印象的なのは力強い低音です。
キレのあるキック音がドシドシと響いて自分好みでした。
低音が強いとは言えクリアで解像感も高め。
バランス的にはボーカル・ギター・ピアノなどの中音域が一歩前に出ている感じがしました。
ボリュームを大きくするとハイハットの音やボーカルの「さ行」(特に男性ボーカル)のシャリつきが気になりましたが、耳障りになるほどではありません。
しっかり価格相応のサウンドを楽しむことができると思います。
なお対応BluetoothコーデックはSBCとAAC。
残念ながらaptX以降の高音質・低遅延コーデックには非対応です。
WF-1000XM4と聴き比べ
僕が持っているワイヤレスイヤホンの中では最高音質(だと思っている)のSONY WF-1000XM4と聴き比べもしてみました。
正直言って僕の耳には大きな違いを感じることができませんでした・・・。
ただ、よーく聴き比べてみるとWF-1000XM4の方が解像度が高く、音の輪郭がハッキリしている感じがします。
ただ低音の強さはPixel Buds Proのほうが勝っている印象です。
音場はWF-1000XM4の方が広く、より臨場感のあるサウンドになっていました。
音質に拘りがあって細かな音色を隅々まで楽しみたい人にはWF-1000XM4が向いていると思いますが、多くの人はPixel Buds Proの音質で十分満足できるでしょう。
ちなみに僕は2つのイヤホンを使い分けることにしました。
家用にWF-1000XM4、外出用にPixel Buds Proとして使っています。
(追記)アップデートでイコライザー(EQ)に対応しました
2020年10月のアップデートでPixel Buds Proがイコライザーに対応しました。
普段僕はPixel 6aに接続しているので気付くのに時間がかかってしまったのですが、コンパニオンアプリ「Pixel Buds」に機能が追加されております。
用意されているプリセットは以下の5種類。
- 低音(強)
- 低音(ライト)
- バランス重視
- ボーカルブースト
- シャープ
さらに以下の項目を自分好みにカスタムすることも可能です。
- 超高音
- 高音
- 中音
- 低音
- 超低音
それなりに音の雰囲気に変化を感じるので効果は良好。
緻密な調整まではできないので物足りない人もいるかもしれませんが、個人的にはこのくらいいじれれば十分です。
カスタムイコライザーで自分好みの音質を作る楽しみが増えましたね。
(追記)アップデートで空間オーディオに対応しました
2023年1月のアップデートでPixel Buds Proは空間オーディオに対応しました。
Pixel Buds Proに空間オーディオが!
ただAmazon MusicとかApple Musicとか対応してそうな音楽聞いてみたけど違いは分からず…。
結局ヘッドトラッキングにまで対応しないと分かりづらいってことか?#pixelbudspro #pixel7 #Pixel7Pro pic.twitter.com/eYvjbqpJay
— ちびめがね (@chibimeganecom) January 4, 2023
正確に言うと、Google Pixelシリーズが空間オーディオ利用可能になり、Pixel Buds Proはその対応イヤホンということになります。
Google Pixel では、5.1 以上の音声トラックに対応しているストリーミング プラットフォーム(YouTube など)の映画を視聴する際に空間オーディオを利用できます。
このため、他のワイヤレスイヤホンを接続しても、対応のPixelシリーズであれば設定で空間オーディオのメニューが表示可能です。
対応のPixelシリーズは以下のとおり。
- Google Pixel 6
- Google Pixel 6 Pro
- Google Pixel 7
- Google Pixel 7 Pro
実際にPixel 7 Proで使ってみたところ、音楽を聞いてるときは大きな違いを感じないものの、動画視聴がめちゃくちゃ捗ることが分かりました。
このようなサウンドチェック動画を使うと効果を実感できると思います。
(追記)アップデートでヘッドトラッキングに対応しました
2023年3月のアップデートで空間オーディオにヘッドトラッキング機能が追加されました。
頭の動きに合わせて音の位置が変化する、逆に言うと頭を動かしても音が鳴っている位置が変わらず、空間オーディオのサラウンド効果をより強く体感することができます。
使い方は簡単で、Pixel Buds Proの設定から空間オーディオとヘッドトラッキングを有効にするだけ。効果を試せるデモ動画も用意されていました。
なお、空間オーディオとヘッドトラッキングは、下記のような対応音声コンテンツでのみ利用可能です。
- YouTube
- Google TV
- Netflix
- HBO Max
- Disney+
僕はPixel 7 Proと接続してNetflixで試してみましたが、「空間オーディオ」と表示されている作品であればヘッドトラッキングが機能していました。
ちなみにAmazon Music UnlimitedやApple Musicにも空間オーディオコンテンツがあるものの、対応していないようで効果はありませんでした。
また、ヘッドトラッキングも空間オーディオの機能の一部なので以下のPixelシリーズのみ利用可能になのでご注意ください。
- Google Pixel 6
- Google Pixel 6 Pro
- Google Pixel 7
- Google Pixel 7 Pro
空間オーディオ+ヘッドトラッキングを利用できる環境にあるなら試して損はありません。
音楽鑑賞はもちろん動画視聴での没入感がめちゃくちゃ凄いです。
色んな場所から音が飛んでくる感じはまさに映画館にいるかのよう。
普通に動画を見るのが物足りなくなっちゃうくらい臨場感があって面白いですよ。
小さな音でも音質を保つボリュームEQ
音質設定に「ボリュームEQ」が搭載されていました。
音量が小さい状態でも低音・高音を強調してくれる機能です。
実際に試してみると、確かに音量を半分以下にした場合に、特に低音が強調されてメリハリの良いサウンドに変化していました。
ボリュームを大きくしなくても、Pixel Buds Proらしい音質を楽しむことができるので耳への負担が軽くなると思います。
優秀なアクティブノイズキャンセリング(ANC)
Pixel Buds Proには周囲の雑音をかき消すANC(アクティブノイズキャンセリング)が搭載されています。
安価なワイヤレスイヤホンでもANC搭載モデルが増えてきていますが、効果が感じられないことも多いですが、Pixel Buds Proのノイキャン効果はかなり高いです。
エアコン、換気扇、車の走行音のような低めの騒音のみならず、中音域にまで効果が及んでいました。
ノイキャンを有効にしてスッと静寂の世界に引き込まれる感じは、WF-1000XM4に代表されるハイエンドモデルを使っている時と似たような感覚でした。
もしあなたがPixel Buds Proのノイキャン性能が気になっているなら心配ご無用。個人的には超優秀だと思います。
1点だけ気になったのは風切り音。
風切り音を軽減するためマイクにメッシュガードが搭載されてはいるものの、やはりボボボボボと風切り音が発生していました。
ただ、そもそも屋外(特に歩きながら)でノイキャンを有効にするのは危険ですし、風切り音に悩まされるシチュエーションは多くないとは思います。
アクティブノイズコントロール機能は耳に装着していなければ有効化になりません。
通話時のノイキャン効果も高い
Pixel Buds Proには、ノイズキャンセリング・外部音取り込みにも使われる集音マイクを含めて、片側に3つのマイクを搭載しています。
実際にLINEで通話を試したところ、雑音カットの性能が非常に高かったです。
これなら外出時でも普通に通話できると思いました。
通話品質は特別良いわけではないものの、普段使いで困ることはありません。
在宅ワークでのWeb会議などでも十分使えるでしょう。
外部音取り込みモードも悪くない
Pixel Buds Proには外部音取り込み機能(透過/トランスペアレンシー)も搭載されています。
イヤホンを使いながらでも周囲の音が聞こえやすくなるので、レジでの会計時などに重宝する機能です。
Pixel Buds Proの集音効果はそれなりに高いです。
AirPods Proのような開放感(イヤホンを装着していないような感覚)を得られるほどではありませんが、周囲の音をしっかり集音してくれます。
ただ自分の声はこもってしまうので、イヤホンを装着したまま会話をするのは難しいかもしれません。
これまで色々なワイヤレスイヤホンをレビューしていますが、なぜかノイキャンの効果は高いのに外部音取り込み機能が弱いものが多い印象。
Pixel Buds Proの外部音取り込み機能は「ハイエンドモデルに一歩及ばず」くらいの性能はあるんじゃないかと思います。
例え性能がイマイチであってもワイヤレスイヤホンには外音取り込み機能は搭載してほしいところ。
イヤホンで音楽を聞きながら歩いたり、屋外ワークアウトをしたりする人が多いですよね?
でも、これって車や自転車の走行音が聞こえなくなるので非常に危険。
このため、屋外で音楽を聞く時には、音量を小さくして、外音取り込みモードを有効にしておくのがベストです。
Pixel Buds Proの集音効果は車の走行音にしっかり対応できるので活用しましょう。
アクティブノイズコントロール機能は耳に装着していなければ有効になりません。
スペック以上のバッテリーもち
Pixel Buds Proはイヤホン単体で最長11時間の連続再生、充電ケースとの併用で合計最大31時間利用可能とのこと。
他のスマホに比べてもかなり長時間利用が可能ですね。
実際に音量を50%・ANCをOFFの状態にしてApple Musicを再生し続けたところ、2時間で約12%バッテリーを消耗しました。
このままのペース(1時間あたり6%)でバッテリーが消費していくと考えると15時間以上連続再生が可能に。
一定の速度でバッテリーが消費するとは考えられないものの、スペック以上のバッテリーもちが期待できます。
もちろんノイキャンを有効化するとバッテリーはもっと早く消費すると思いますが、個人的にはバッテリーもちは十分良いと思いました。
5分の充電で1時間再生できる急速充電
Pixel Buds Proにはイヤホンを5分の充電で1時間再生/15分の充電で3時間再生が可能になる延命機能が搭載されています。
寝落ちして、朝イヤホンの充電がない!ってことはないですか?そういう場合にメチャクチャ重宝します。
1時間使えれば通勤・通学時間でギリ使えるので嬉しい機能です。
ケースの充電速度も良い感じ
ケースの充電に必要な電力は1W~2W程度と一般的。
Pixel Buds Proには充電器が付属していませんが、強い電力が必要なわけではないのでスマホ等に付属の充電器を代用して問題ありません。
ケースのバッテリー残量5%からフル充電までにかかった時間は1時間20分ほど。
めちゃくちゃ早いわけではないですが、これくらいなら十分でしょう。
ワイヤレス充電に対応
Pixel Buds Proはワイヤレス充電にも対応。
有線と同じくらいの速度で充電できちゃいます。
置くだけ充電は一度使うと便利すぎて、なくてはならない機能になります。
使う時も充電するときもワイヤレス。これぞ真のワイヤレスイヤホン。
Pixel Buds Proには欲しい機能がしっかり入っております。
装着感は良好
装着感は耳の形状によって様々なので評価するのは難しいのですが、僕の耳にはフィットしてくれました。
ハウジングの飛び出しも少ないので収まりが良く、どう動いても外れることはなさそうです。
ANCと外部音取り込み機能があるのでフィット感は特に重要。
フィット感が強いと隙間を埋めてくれるので耳栓のように遮音性能(パッシブノイズキャンセリング)が高くなり、全体的なノイキャン効果が高まります。
遮音性能が高くなると耳の詰まりが生じて窮屈に感じることが多いと思いますが、Pixel Buds Proには気圧センサーが搭載されており、自動的に減圧してくれるとのこと。
実際に使ってみても、フィット感が高いのにギュッと締め付けられているような感じが少なく、長時間装着していても快適でした。
とは言え、耳の詰まりを全く感じないことはないので、カナルタイプ(耳栓型)のイヤホンが苦手な人は使わない方が良いと思います。
なお、コンパニオンアプリではイヤーチップのフィット感テストも可能です。
初期設定時に試せるのはもちろん、いつでも好きなタイミングでテストできます。
使っているうちにノイキャンの性能が弱くなってきたと感じた時や、聞こえ方が変わったと感じた時に試すがおすすめです。
音量調整に対応したタッチ操作
Pixel Buds Proはイヤホンをタッチして音楽再生アプリ等の操作が可能です。
タッチエリアはイヤホン表面のGoogleロゴマークあたりでレスポンスも悪くありません。
操作方法は次のとおり。左右どちらも同じ機能になります。
1回タッチ | 再生/一時停止 通話応答 |
2回タッチ | 曲送り 着信拒否 |
3回タッチ | 曲戻し |
長押し | 音声アシスタント ノイズコントロール切り替え (いずれかカスタマイズ可能) |
前方にスワイプ | 音量上げる |
後方にスワイプ | 音量下げる |
タッチ操作については一般的と言ったところ。
長押しだけは左右で別の機能を割り当てることが可能です。
使ってて最も便利だったのがスワイプによる音量調整。
Pixel Buds Proはイヤホン表面がサラサラとした質感なのでスワイプ操作しやすいです。
スッと軽く流すように指をスライドさせるだけで音量が上がったり下がったりしました。
タッチでも長押しでもなくスワイプ操作ってところが良い!
個人的に「ベスト・オブ・音量調整」です。
ちなみに僕が使っているPixel 6aでは、ノイズキャンセリングモードの切り替えが音量コントロールでもできます。
Googleアシスタント搭載
Pixel Buds Proを装着中に「OK,Google」と話しかければGoogleアシスタントが起動します。
天気や予定の確認、タイマーやアラームの設定等、今までスマホやスマートスピーカーに話しかけていたことが、外出先で歩きながらでも気軽にできちゃいます。
音声アシスタントを外で使うのは恥ずかしいなって思ってたんですが、Pixel Buds Proを買ってからは使う機会が増えました。
大きな声で呼びかけなくても反応してくれますからね。
「OK,Google」と言わなくてもイヤホンを長押ししている最中に話しかければGoogleアシスタントが使えます。
なお、個人的に期待していたのが「リアルタイム翻訳」だったのですが、使うためにはスマホで翻訳アプリを開く必要がありました。
聞こえてきた英語や韓国語を通訳してくれるのかなーと期待していましたが、そういう機能ではないんですね。
スマホを開く必要があるなら、最初からスマホを使えば良いって話・・・笑
Pixel Buds Proでは叶わないかもしれませんが、今後の進化に期待します。
通知読み上げ機能が便利
Pixel Buds ProにはGoogleアシスタントを通して通知を読み上げてくれる機能もあります。
と言っても、届いた通知をリアルタイムで読み上げてくれるわけではありません。
既に届いている通知を読み上げてくれる機能です。
使い方はイヤホンを長押しして離すだけ。
現在時刻を知らせてくれた後に、通知を読んでくれます。
ちびめがねさんからのメッセージ こんにちわ
こんな機能使うかー?って思ってたんですけど、ふとした時に結構使ってます笑
歩いててスマホ取り出すのめんどくさいなーって時あるじゃないですか?
そういうときに時間・通知を確認できるのって便利なんですよね。
さらに、LINEやSMSの通知なら音声での返信も可能。
イヤホンに話しかけた内容をテキストに変換して送信までしてくれます。
ただ、返信内容を話しかけ、内容の確認をして、と送信するのに時間がかかるので、だったらスマホ開いちゃったほうが早いかなーとは思います・・・。
どうしても手が離せない時なんかには便利なんでしょうけどね?
使用するには長押しにGoogleアシスタントの割り当てが必要です。
装着検知の反応は上々
Pixel Buds Proには装着検知機能が搭載されています。
イヤホンを外すと曲が停止して、再び装着すると曲が再開。レジでの会計の時や人から話しかけられた時に重宝する機能です。
外音取り込みモードの性能が高ければ装着したままでも会話がでるんですが、Pixel Buds Proはそこまで高くないので結局イヤホンを外さなければ会話はできません。
それが、着脱検知機能が搭載されていることで、一旦イヤホンを外しても会話や会計が終わればすぐに曲が再開するので非常に便利です。
反応も良好で大きなタイムラグを感じることはありませんでした。
ただ、ケースから取り出す場合同様に、イヤホンを耳から取り外しにくいと感じることがあります。
慣れるまではイヤホンの着脱にもたついてしまう場合があるでしょう。
動画視聴には困らない遅延
ワイヤレスイヤホンはBluetoothで音声データを伝送する使用上、どうしても遅延は発生してしまいます。
ただ、Pixel Buds Proを普通に使う分には遅延を実感することがないと思うのでご安心ください。
例えば動画視聴をしていても、口の動きとセリフの音声とのリップシンクが気になることは殆どありませんでした。
ただ、ゲームは厳しいです・・・。
実際にApexモバイルをやってみたところ、射撃ボタンのタップから銃声が聞こえるまでに、僅かな間(遅延)が発生していました。
射撃タップ→【僅かな間】→銃声
普段メインでプレイしている「パズドラ」「モンスト」ですら若干遅延を感じます。
僕の場合は多少の遅延があってもプレイできちゃうので問題有りませんが、シビアな操作が求められる音ゲーなどには使えないのでご注意ください。
低遅延機能が搭載されていれば少しはましになったかもしれませんが、残念ながら非搭載。
Pixel Buds Proでゲームをするのは諦めましょう・・・。
デバイスを探すに対応している
Pixel Buds ProはAndroid用の「デバイスを探す」機能に対応していました。
デバイスを探す
Google LLC無料posted withアプリーチ
専用アプリやブラウザから最後にスマホとペアリングした場所を表示可能。
また、スマホと接続できている状態であればイヤホンから音を鳴らすこともできます。
落としてしまうことはもちろんなんですが、ワイヤレスイヤホンって意外と室内で行方不明になってしまうことありませんか?
僕は音楽聴きながら寝落ちしてしまって、起きた時になくなっていることが結構あります・・・。
そんな時に音を鳴らすと、すぐにイヤホンが見つかるから地味に便利です。
なお、位置情報を利用した場所の追跡は「Google Fast Pair」でペアリングする必要があります。
通常のペアリングではイヤホンから音を鳴らす機能しか使えないのでご注意ください。
IPX4防水性能は雨と汗を防ぐ程度
Pixel Buds Proの防水性能はケースがIPX2、イヤホンがIPX4です。
保護等級 | 保護内容 |
IPX2(防滴) | 鉛直から左右それぞれ15度以内の降雨による影響を受けない |
IPX4(防沫) | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない |
どちらも生活防水に毛が生えた程度なので強力ではありません。
ただ、ちょっとした雨とか、スポーツ時の汗ならしっかり守ってくれるので防水性能が全くないよりもずっと安心です。
このため、お風呂・シャワー・水泳等で使うのはやめましょう。水没させたら壊れます。
また、ポケットに入れたまま洗濯してしまうこともありますが、これもアウトです。
水に濡れた場合は、よく乾燥させてから充電するようにしましょう。
水分がある状態での通電は非常に危険です。
Pixel Buds Proのスペック
サイズ | 充電ケース 63.2×50×25mm イヤホン 23.72×22.03×22.33mm |
重さ | 充電ケース: 62.4g イヤホン(片方): 6.2g |
再生時間(ANC ON) | 7時間 ケースと併用:20時間 |
再生時間(ANC OFF) | 11時間 ケースと併用:31時間 |
充電時間 | イヤホン 5分の充電で1時間使用可能 15分の充電で3時間使用可能 |
バッテリー容量 | 不明 |
充電端子 | USB Type-C |
ワイヤレス充電 | 対応(Qi認証) |
Bluetooth | Ver5.0 |
通信距離 | 不明 |
防水規格 | 充電ケース:IPX2 イヤホン:IPX4 |
チップ(SoC) | 不明 |
Bluetoothプロファイル | 不明 |
対応コーデック | SBC,AAC |
ドライバーサイズ | 11mm |
ドライバー感度 | 不明 |
周波数応答 | 不明 |
インピーダンス | 不明 |
まとめ:Pixel Buds Proのメリット・デメリット・評価
Pixel Buds Proを実機レビューしました。
最後に本記事のおさらい。メリット・デメリット・評価を紹介いたします。
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
・可愛いデザイン・質感も良し ・コンパクトなサイズ感 ・低音が強い音質(好み) ・ノイキャンの効果が高い ・外音取り込みもそれなり ・十分なバッテリーもち ・ワイヤレス充電対応 ・コンパニオンアプリがある ・Pixelスマホとの相性が良い ・スワイプで音量調整 ・Googleアシスタント搭載 ・通知読み上げ機能 ・簡単ペアリング ・マルチポイント対応 ・イコライザー対応 ・空間オーディオ今後追加 | ・ケースの汚れが目立つ ・取り出しにくい ・より高音質のイヤホンもある ・iPhoneで使いにくい ・タッチ操作はほぼ固定 ・防水性能やや弱め ・低遅延モードなし |
評価
(4.5点/5点満点)
23,800円と少々高いですが、機能・性能ともに価格に見合った優秀なワイヤレスイヤホンでした。
空間オーディオ機能が今後追加される予定になっており、さらなる進化にも期待です。
音質・ノイキャン・スワイプによる音量調整が気に入って、僕はPixel Buds Proを毎日持ち歩く用のイヤホンとして使っていきます。
長押しで通知を読み上げてくれる機能も地味に便利です。
家でじっくり使うというよりは、カジュアルに使っていきたいワイヤレスイヤホン。
さらに音質の良いイヤホンもありますし、ゲームには不向きですからね。
満足度が高く全ての人におすすめしたいところですが、iPhoneでは性能を活かしきれないので、全Androidユーザーにおすすめの1台です。